隠すなんて古い? コカイン製パレットでの密輸を摘発
まさかな意表を衝いてきた!
麻薬の密輸には手段を選びません。金に糸目をつけず、最新技術満載の潜水艦でドラッグを持ち込む犯罪者集団だっていると伝えられたことがあります。その手口は次々と進化を遂げておりまして…。
このほどスペイン警察は、ヴァレンシア港にて、コロンビアから密輸された1.5トンものコカインを押収。その額は3億7,000万ドル相当とされています。スペインに荷揚げされたコカインは、ここから欧州各地に配られる一大ビジネスになっていたようなのですが、驚くべきは、その密輸手口でございます。
とある化学製品を扱う会社を装って、木製パレットの上に、いっぱいに炭が入った袋を積むコンテナを輸入。炭の臭いがきついため、麻薬探知犬だって欺かれそうです。でも、なんと炭袋が載ったパレットは、ダークウッドでできているように見えますけど、うまくコカインを圧縮して作られていたのでした。つまり、コカイン製パレットというわけですね。ついでにパレット上の袋に入った炭も、一部はコカインを偽装したものだったそうですよ。
スペイン警察は、港の付近にある特殊な研究所の存在も突き止めました。パレットや炭にしか見えないコカインを、ここで高度な技術を用いて再抽出。ヨーロッパ全土に密売するためのパッケージ加工が実施されていたんだとか。
すでにこの事件に絡んで、スペインのみならず、イギリスやドバイでも逮捕者が出ていると伝えられています。パレット偽装のコカインを荷出し&荷受けする、複数のコロンビア人エキスパートが暗躍していたことまで判明。今回は40セットのパレットが押収されましたけど、過去にも同じ手口で大規模な密輸が進められてきたんでしょうね。
ちなみに、こうした新手の手口は、まさに警察と密輸業者のイタチごっこ。巧妙なパレット偽装の以前にも、骨折患者のギブスを装ったり、豊胸手術を施した女性が、実はコカインで胸を膨らませていたりと、もはやなんでもありな密輸大作戦が繰り広げられてきました。意外にローテクな手段ほど見つかりにくかったりするのかもしれませんよね~。
images by Spanish National Police
source: The Telegraph
Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)
- 植物性アッパー コカイン (ハイ!シリーズ)
- ニック コンスタブル,山川 健一|太田出版
- コカイン ゼロゼロゼロ: 世界を支配する凶悪な欲望
- ロベルト サヴィアーノ|河出書房新社