トップページ科学・医療ニュース一覧COP21 議長が合意案を提示も交渉は難航
ニュース詳細

COP21 議長が合意案を提示も交渉は難航
12月10日 18時52分

フランスで開かれている地球温暖化対策の国連の会議、COP21は今週末の合意を目指して議長が示した合意案を基に夜を徹して交渉が行われましたが、温室効果ガス削減の義務化や資金支援を巡って、先進国と発展途上国の意見の隔たりが埋まっておらず交渉は難航しています。
パリ近郊で開かれているCOP21は、京都議定書に代わる2020年以降の新たな枠組みの合意を目指していて、9日、議長国フランスが合意案の文書を示しました。
合意案では、温室効果ガスの削減目標を各国が5年ごとに提出し、世界全体で削減の進捗(しんちょく)状況を検証することを義務づける一方で、各国ごとに目標の達成を義務づけるかどうかは決まっていません。
また、最大の争点となっている途上国に対する資金支援については、経済力がある新興国なども自主的に資金を拠出できるとする一方で、資金の拠出を現在の年間1000億ドルの規模から上積みするかどうかは、具体的な数字に言及しない選択肢も残されたままとなっています。
各国の閣僚らはこの合意案を基に9日夜から10日にかけ、夜を徹して交渉を行いましたが、温室効果ガス削減の義務化や資金支援を巡って意見の隔たりが埋まっておらず交渉は難航しています。
議長国フランスのファビウス外相は、これまでの成果を反映した新たな合意案を日本時間の10日夜にも示すとしていますが、事態打開につなげることができるか予断を許さない状況となっています。

先進国や新興国に譲歩求める声も

夜を徹した協議に当たった発展途上国の交渉官たちからは、難航する交渉を打開するため、先進国や新興国の譲歩を求める声が聞かれました。
このうち、東ティモールの交渉官は、「きょう未明まで交渉の場にいて3時間しか寝ていません。われわれ島しょ国は、世界の平均気温の上昇を1.5度未満に抑えることや温暖化の被害を防ぐ対策への資金を求めており、日本やアメリカ、インド、中国など経済力のある国がどう応えるかが焦点になる」と話していました。
また、アフリカ西部マリの交渉官も「資金がどう合意に盛り込まれるかが重要だ。温暖化は深刻で、ここで合意する以外われわれには道はない」と述べるなど先進国や新興国の譲歩を求める声が聞かれました。

関連ニュース

k10010336651000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ