グッド・チャリズム宣言プロジェクトも協力警視庁の自転車部隊「ビームス」出陣 街頭に繰り出しマナーアップやルール順守を啓発
自転車の安全指導や啓発を行う警視庁の自転車部隊「BEEMS」(ビームス)の出陣式が12月4日、東京都足立区役所で開かれ、警視庁の交通機動隊員や綾瀬、千住、西新井、竹ノ塚各署の署員ら14人が街頭へと繰り出した。また、自転車のマナーアップと交通ルール順守を啓発する民間団体「グッド・チャリズム宣言プロジェクト」(通称・グッチャリ)のメンバーも参加し、ビームスと一緒にパレードランやマナーアップ活動を展開した。 (グッド・チャリズム宣言プロジェクト理事 瀬戸圭祐)
隊員に自転車愛好者「メンバーに選ばれ士気高揚」
ビームスは今年10月に発足したばかりで、街頭で安全啓発やマナーアップ活動を行うのは今回が実質的に初めて。ビームスという部隊名は「自転車安全利用指導啓発隊」を意味する「Bicycle Education & Enlightenment Mobile Squad」の頭文字を取って命名された。
隊員14人のうち警視庁本部の第十交通機動隊に所属する3人がリーダー格となり、残る11人は4つの警察署の署員から自転車経験者を中心に集められた。
第十交通機動隊所属のメンバーは「こうやって実質的な啓発活動ができてうれしく思う。今後は定期的に、高頻度で実施していきたい」と語り、綾瀬署のメンバーは「ロードバイクが好きで、今回メンバーに選ばれて士気高揚している。サイクリストとしてもマナーやルール順守の徹底に努めていきたい」と抱負を述べた。
ビームスが使用するクロスバイクはピカピカの新車状態で、フレームに「警視庁」と「POLICE」のロゴが施され、ヘッドチューブなどに警視庁のマスコットである「ピーポくん」のイラストが入っている。メンバーのウェアや装備も新調されており、これからのフル活用が望まれる。
違反切符ではなく「マナーカード」で指導
千住署交通課によると、ビームスは啓発活動が主体であり、検挙や取り締まりを目的にはしていない。実際、メンバーは手錠や警棒を装備しているが、違反切符は持っておらず、ルールを守っていない自転車利用者には、違反の内容や日時と場所を記録した警官の署名入りの「自転車安全マナーカード」を手渡して指導を行う。
出陣前の式典では、警視庁の加藤孝雄本部長が「全国の自転車対歩行者の交通事故のうち約3割が東京都内で発生しており、自転車の安全対策は重要課題。マナーとルールの順守を徹底させ、ヘルメットの着用を推進し、しっかりと啓発活動を行おう」とあいさつ。
また綾瀬交通安全協会会長の中西登喜男さんは「交通事故全体に占める自転車関与事故の割合は、全国平均で2割弱なのに足立区では4割前後と高い。特にお年寄りや子供が危険に晒されることが多い。ビームスが見本となる活動をして、啓発を広めていって欲しい」と述べた。
パレードランの後に足立区の梅島交差点で行われた啓発活動では、ビームスとグッチャリのメンバーが官民一体となって、マナーアップチラシを配りながら自転車利用者に安全利用を訴えた。
ビームスは専属部隊ではないので、今後の具体的な活動スケジュールはまだ決まっていない。活動は始まったばかりだが、警察官自らが模範となって自転車の安全利用を促し、そして事故撲滅につながるよう、活動が広く普及していくことを願っている。