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 微小粒子状物質PM2・5などによる大気汚染が深刻で、昨年発表された世界保健機関(WHO)の調査で「世界最悪」となったインドの首都ニューデリーでも、来年1月1日から自家用車の通行制限が行われることになった。ナンバーが偶数か奇数かで1日ごとに通行できる。行政当局が8日までに決めた。

 ニューデリーでは秋から冬にかけて大気汚染が特に悪化し、視界が遮られて空港で飛行機の発着が遅れることも珍しくない。環境当局の測定では9日午前7時10分(日本時間午前10時40分)現在、市内の複数の地点でPM2・5濃度が1立方メートルあたり300マイクログラムを超えた。日本の基準値の8倍以上だ。在インド日本大使館は在住邦人に、空気清浄機やマスクを使うことなどを呼びかけている。

 汚染の大きな原因は、約850万台といわれる自動車の排ガスだ。整備が行き届かず黒煙を出して走る古い車も珍しくない。ただ、通行制限の発表に地元メディアからは「公共交通機関が乏しいから自家用車を使っているのに」といった批判も相次いでいる。(ニューデリー=貫洞欣寛)