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就学支援金不正の疑い 60歳以上に高校入学勧誘か12月9日 17時18分
国の就学支援金が不正に支給された疑いがある三重県の高校の通信制のサポート校が、「入学すれば認知症予防のプログラムが無料で受講できる」などといって、60歳以上の人に高校入学を勧めていたことが分かりました。東京地検特捜部は、生徒の勧誘から支援金の支給に至る詳しい経緯を調べています。
三重県伊賀市の「ウィッツ青山学園高校」を巡っては、通信制の課程にすでに別の高校を卒業するなどして受給資格がない複数の生徒が入学し、国の就学支援金が不正に支給されていた疑いがあり、東京地検特捜部が詐欺の疑いで捜査を進めています。
この学校の通信制の課程は全国40か所以上にサポート校を設けていますが、このうち埼玉県志木市にあるサポート校が60歳以上の人に高校入学を勧めていたことが分かりました。
NHKが入手したパンフレットやホームページによりますと、このサポート校では一般コースのほかに60歳以上を対象にした「健康・脳トレコース」を開設し、「高校生活を60歳からのセカンドライフを充実させる生涯学習の場として捉える」などとして、脳の活性化のため歴史や古典などの興味をもった学習をするとしています。
学費の大半は就学支援金によって負担する必要がないとしたうえで、入学すると認知症予防のプログラムを無料で受講できるほか、スポーツジムの無料利用、毎月企画される温泉ツアーの無料招待などの特典があると紹介しています。
さらに、支援金の受給資格がない高校や大学を卒業した人も入学が可能だとしていて、入学すれば高校生としての学生証が発行されるため、交通機関や博物館などの学割も使うことができるとしています。
特捜部は、生徒の勧誘から支援金の支給に至る詳しい経緯を調べています。
この学校の通信制の課程は全国40か所以上にサポート校を設けていますが、このうち埼玉県志木市にあるサポート校が60歳以上の人に高校入学を勧めていたことが分かりました。
NHKが入手したパンフレットやホームページによりますと、このサポート校では一般コースのほかに60歳以上を対象にした「健康・脳トレコース」を開設し、「高校生活を60歳からのセカンドライフを充実させる生涯学習の場として捉える」などとして、脳の活性化のため歴史や古典などの興味をもった学習をするとしています。
学費の大半は就学支援金によって負担する必要がないとしたうえで、入学すると認知症予防のプログラムを無料で受講できるほか、スポーツジムの無料利用、毎月企画される温泉ツアーの無料招待などの特典があると紹介しています。
さらに、支援金の受給資格がない高校や大学を卒業した人も入学が可能だとしていて、入学すれば高校生としての学生証が発行されるため、交通機関や博物館などの学割も使うことができるとしています。
特捜部は、生徒の勧誘から支援金の支給に至る詳しい経緯を調べています。
専門家 「株式会社が設置の学校の問題」
株式会社が設置した高校の通信制の課程に、就学支援金が不正に支給された疑いが持たれていることについて、日本通信教育学会の手島純理事は「今回の事件の本質は広域通信制の問題ではなく、株式会社が設置した学校の問題だと思う。通信制は本来、教育の機会を保障するものとして意味のある制度で、悪用されてしまうのは非常に残念だ。株式会社による学校は学校法人と違って助成金が受けられないため、赤字経営になるのではないか、教育の質が確保できるのかといった懸念は当初からあった。規制緩和は必要だが、教育の質を守るためのチェック機能を作っていかないとまた同じことが起きてしまうと思う」と話していました。