何でエンジニアになろうと思ったの? |
人と話すのが苦手だったからですね |
- 増井
- では、まず簡単に自己紹介から。
- 高
- 高允澈(こう ゆんちょる)です。トレタのiPadアプリ開発をしています。トレタには去年の8月からジョインしました。
- 増井
- 実はゆんゆん(高のニックネーム)はiOSエンジニアとしては初めての社員なんだよね。その前は外部の人にお願いをしていて、それを内製にするために来てもらったという感じ。
- 高
- そうですね、僕が入社してiOSの開発を巻き取った感じです。一人では大変なので設定画面だけは開発会社の方にサポートしてもらっています。半年ほどして堀見(宗一郎)くんが入社してからは、国際化まわりやアプリを自動ビルドするCI環境などをまるっと見てもらいました。きっちりと分担が決まっているわけじゃなく、必要に応じて作業を分けてやっている感じです。
- 増井
- ところで、ゆんゆんはトレタが2社目なんだよね。
- 高
- はい。以前はSIerにいました。22歳のときに、未経験入社という形でSIerで仕事をするようになって、同じ会社に8年間在籍していましたね。
- 増井
- この業界で8年って長いよね。前の仕事はどんなことをしていたの?。
- 高
- ざっくり分けると、前半がスーツを着てお客さま先に常駐していて主にJavaの仕事が多かったです。後半は社内で受託が多かったですね。Ruby、PHP、JavaScript、インフラ、それにiOSというのをいろいろやっていた感じです。最初の会社に入ったときは、全く業界のことも全然知らなかったんですけど、その頃は「最近の若い者は、3年経たずにやめる」みたいな話が結構あったので、とりあえず3年はいようと思っていたんですが、気づくと結構長くいることになっていて。
- 増井
- その間に転職とかは考えなかったの?
- 高
- 3年ぐらい経ってから考えてはいたんですけど、わりと僕は保守的なところがあって、なかなか転職に踏み切れなかったんですよ。あと、社内で受託とかやり始めたぐらいからかな。結構自分のやりたいことが出来る環境になってきていたんですよね。それなりに評価もされていて、やりたいことがあれば手を挙げればだいたいやらせてもらえてました。
- 増井
- 結構面白い仕事もやらせてもらっていたんだね。
- 高
- そうですね。それでもうちょっといてもいいかな、とか思っていて、いつの間にか8年経っていたという感じですね。
- 増井
- そもそもその会社には未経験で入っているんだけど、何でその仕事をしようと思ったんだろう。
- 高
- 人と話すのが苦手だったからですね。
- 増井
- 職人方向に行こうと思ったのね?
- 高
- そうです。就職する前のバイト先でExcelをさわっていたんですよ。そこで関数とかマクロとかを覚えて何か楽しいなと思って。そしたらプログラミングというのがあるみたいだぞということで、この業界に。
- 増井
- 常駐先というのは、ずっと同じところではないよね。
- 高
- わりと転々としてました。業界もバラバラで、損保、電力、物流、銀行、医療、コンシューマ向け、、と。その中にはもちろんちゃんとしたプロジェクトもあれば、これは本当に完成するのか?完成させる気があるのか?みたいなプロジェクトまであって。いろいろと経験させてもらいました。いちばん長いのは2年だったかな。銀行系ですね。銀行で外為のオンラインサービス。合併した後の、追加開発をやってましたね。
- 増井
- その頃は銀行の合併が続いてたから、金融系でエンジニア全然足りないという時代だよね、それは。
- 高
- 僕が未経験で入れたというのも、当時の会社が大量採用していたからなんです。多分20〜30人まとめて。僕は自分の人生結構運が良いと思ってて、未経験で入れたのも運が良かったからだと思うんですよね。
- 増井
- そこからどの段階でiOSエンジニアになったの?
- 高
- iOS出たのが2007年ぐらいで、その頃は興味はあったけどまだやっていなくて。ただ、社内では結構早くから開発していたりはしていたんですね。僕は単純に興味があってやりたいなと思っていたんですけど、何年か経ってから、当時受託案件を発注してくれてるお客さんからiPadアプリをつくりたいという話があって、そこで自分が手を挙げたのがきっかけですね。
- 増井
- そこからずっとiOSみたいな感じ?
- 高
- 大体そうですね。その初めてiPadのアプリやるときは、何もわからなくて。たまたまチームにiOSが得意でRubyはそんなにやってないって人がいて、僕はRubyができてiOSはあまりできないので教え合うというかたちで勉強しながら技術を習得していった感じです。
- 増井
- それ結構いいよね。それぞれ足りない部分がはっきりしているしね。
- 高
- 絶対逆にやったほうがもっとスムーズに進んだだろうなとは思いますけど(笑)。
増井さんがCTOだから働きやすいんじゃないかなあって思いました |
上のほうにエンジニアがいるというのは大切だよね、選ぶとき |
- 増井
- ゆんゆんで一番面白いのは、どうしてトレタに入ったのかという。すごいストーリーがあるんだよね。
- 高
- 僕は増井さんをツイッターでフォローしていて、増井さんが「マジスパ(Magic Spice)」という下北沢のスープカレー屋さんによく行っているというのを知っていて、僕の当時の彼女(今の奥さん)とスープカレー屋に行ってみたら、ちょうど増井さんが出てくるところで。
- 増井
- 私は普通にエンジニアの友達と昼飯か何かを食いに行ってたんだよね。
- 高
- そのとき「あ、増井さんがいる」と思って。ただ、僕はあまり人としゃべるのがあれなので、話しかけるということはしなかった。面識もなかったので。そうしたら当時の彼女が「何で話しかけないの?」と。僕に言わせたら「いや、何で話しかけるの?」って(笑)。
- 増井
- 話しかけない理由もないけど、話しかける理由もないよね。
- 高
- そのときに彼女が、増井さんが当時やっていた「ミイル」を使っていたので、そのアプリを使っているという共通点だけで突撃して。
- 増井
- 飯を食って出たところで、全然知らない女の子に「ミイル使っているんです」と言われて「ああ、どうも」って。何でわかったのかなと思いながら。で、何か後ろでもじもじしている人がいて。
- 高
- 僕はまだ話しかけもせず。増井さんも何かちょうど忙しくて。
- 増井
- 「すみません、僕もう次行かなきゃならないんで、フェイスブックで申請してもらって、続きはチャットで」と言って、あわてて次へ行った。何か話があるんだろうなと思って。で、メッセージで彼氏がエンジニアでご飯食べに行っていたというのを知って。ああ、そういうことなんだと。その流れで、じゃあ今度、みんなで一緒にごはん食べにいきましょうよという話になって、また後日一緒にマジスパに。
- 高
- たまたまなんですけど、彼女と増井さんがどちらもゴー☆ジャスという芸人さんが好きで、そこでもまた意気投合して。一緒にゴー☆ジャスを見にいきましたね。
- 増井
- その後、1カ月に1回ぐらいマジスパにご飯を食べにいき、さらに一緒に何かライブを見にいったりとか。あれって、ちょうどトレタができた直後だったよね。
- 高
- そうですね。そのときももちろん転職はうすうす考えてはいたんですけど、ちょうど新しい案件で大きなプロジェクトをやっていて、結構それが面白そうな感じだったんですよね。だから、そのときもトレタでiOSのエンジニア探しているとは聞いて面白そうだなと思いつつも、ちょっとそのときはまだ参加してるプロジェクトのほうに注力するときだったので。翌年の6月とかそれぐらいにプロジェクトが一段落して、そろそろほかも経験したいなと思ったときに増井さんの話を思い出して「まだ探していますか?」と。そうしたら。
- 増井
- 「探しているよ」と。
- 高
- ということだったので、ちゃんとトレタについての説明を聞きに行きました。トレタの話を聞いて、まず環境として、ああ、ここはすごくいいなと思ったんですね。増井さんがCTOとして社長と並んだところにいるので、環境とかすごくエンジニアに優しいというか、働きやすいんじゃないかと。
- 増井
- 上のほうにエンジニアがいるというのは大切だよね、選ぶとき。トレタに限らず。
- 高
- そうですね。僕前職のときに、CTO的な人っていうのがいなくて「社長」と「その他」だけ(笑)。一応、人数が多いのをまとめるために部長っていう人がいるんですけど、社長との距離はすごく遠くて。
- 増井
- CTOって名前つかなくてもいいんだけど、経営上の意思決定ができる人の中に、エンジニアのスキルとか理解ができる人がいないテクノロジーの会社は相当辛いと思うね。
どんな人と一緒に働きたい? |
自分がもっと勉強しなきゃって思えるような すごいなという人がいいですね |
- 増井
- それで入ってみたらどうだった? 前の会社とは規模も何もかもが違うわけじゃない。
- 高
- そうですね。ただ僕、転職が初めてだったので、うまくいくんだろうかみたいな不安はあったんですけど、何か2日ぐらいで普通に馴染んで。
- 増井
- 早いな(笑)。人と話すのが苦手だったはずなのに。
- 高
- みんないい人ばかりでしたし。
- 増井
- でも、前職と違うところは山ほどあったでしょ?
- 高
- いちばん違うところは、会社が好きかどうかみたいなところですかね。前職の場合は、もともと派遣がメインだったりするので、そうすると帰属意識みたいなのがどうしても。
- 増井
- 会社への愛着はあまりなくなるよね。自分の所属がどこだかわかりにくいし。
- 高
- そうなんです。愛着がないだけならまだいいんですけど、何か本社が面倒だなぁと感じてしまうこともあって。
- 増井
- そこの辺は確かにね。とくに派遣だと、自分が派遣されている会社側の人間なのか、どの会社なのかがちょっとわかりにくくなるしね。そういう意味では、プロダクトをつくっているところでやってると、会社の目標もはっきりするし、目指すところが全員一緒だし。そこは確かに違うよね。
- 高
- あとは仁さん(中村社長)が開発に対して理解があるというのも大きいですね。
- 増井
- 会社の社長がプロダクトオーナーで、もともと飲食店経営者。
- 高
- そして技術面は増井さんが支えているというのがあって、何か単純にこのプロダクトはすごくいいところまで行くんだろうなというのがありました。あとエンジニアへの理解というと、今年の6月にWWDCに行かせてもらえたというのも大きいですね。しかも、幸運なことにiOSエンジニア二人当選することができたので二人で行かせてもらいました。
- 増井
- これから一緒に働く人とかも考えて、働く環境としてトレタはどういったところだと思う?
- 高
- 自由なところ、ですね。僕の場合はSIerからの転職なんで、結構極端ではあるんです。ただ、僕はすごく働きやすいですし、多分みんなも同じように思っていると思いますね。
- 増井
- 自由だし、独立というか自立しているというのもあるよね、それぞれが。自立しているからこそ自由なんだと思うんだけど。そういう意味で、どんな人に一緒に働いてほしいか、イメージとして何かある?
- 高
- エンジニアとしては単純にすごいなという人がいいですね。そういう人を見て、自分ももっと勉強しなきゃとか思えるような人が来てくれたらいいなと思います。あとは当然ですが、トレタを自分のサービスだと思える人。あと、今はメインのiPadアプリ以外にも、その周辺のサービスがぽこぽこ立ち上がってきているところなんで、プロジェクト立ち上げから関わりたい人にとっては、すごくいいタイミングだと思いますね。
- 増井
- そういう人がたくさん入ってくれると、一気にいろいろ進むんだけど(笑)。最後に、トレタというサービスを今後こうしていきたい・こうなってほしいっていうのはありますか。
- 高
- どこのお店に行っても、トレタの緑の画面が目につくようになって、あとは将来的には携帯アプリで予約できるとか、みんなが当たり前のように使っているようなサービスにはしていきたいです。トレタのことを知ってくれている友達は、いろんなお店に行ってもトレタを見る機会が増えてきたと言ってくれているので、そういうのはすごく嬉しいなと思いますね。