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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、国が翁長雄志(おながたけし)知事を相手取って辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しの撤回を求めた代執行訴訟の第1回口頭弁論が2日午後、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で始まった。翁長氏は自ら出廷して意見陳述に臨み、「沖縄、日本の未来を切りひらく判断をお願いいたします」と述べた。

 翁長氏は陳述で、武力を背景として米軍基地が建設された戦後の沖縄の歴史をひもとき、「昨年のすべての選挙で『辺野古新基地反対』の民意が出たにもかかわらず、政府は建設を強行しようとしている。米軍基地に関してだけは、米軍施政権下と何ら変わりはない」と強調した。

 10分余りの陳述の締めくくりには、「この裁判で問われているのは単に、公有水面埋め立て法に基づく承認取り消しの是非だけではない」と指摘。「日本には本当に地方自治や民主主義は存在するのか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるか。国民のみなさますべてに問いかけたい」と訴えた。