青果物流通は、市場を介さない取引が増えるなどして多様化している。一方、こうした複雑な物流を支えるドライバーの数は、高齢化を背景に年々減少。鉄道貨物協会の試算では、20年度には約11万人が不足する見通しで、ドライバーの需給が逼迫(ひっぱく)して運賃の値上げも懸念されているという。
こうした状況を踏まえ、同省はトラックから鉄道、船舶への輸送体制の転換(モーダルシフト)が必要だと判断。16年度概算要求の「新しい野菜産地づくり総合対策事業」(要求額27億6000万円)に、船舶や鉄道などを利用した輸送試験への支援を新たに盛り込んだ。生産者と流通事業者、実需者ら、川上から川下の関係者でつくる団体に対し、実証試験に掛かる経費を全額(一部の資機材の購入費は3分の1)補助する。
支援は、新たな技術を取り入れた試験が対象で、①コスト削減へ、段ボールに代わる鉄コンテナの使用②鉄道輸送でのコールドチェーン③船舶輸送――など。鉄コンテナはリースを想定する。この他、従来よりかなり大型のトラックを使い、効率化を試みるのも支援対象になるという。
試験で成果が出れば、そのグループの産地で17年度以降に新たな輸送手法を取り入れてもらう。同省は「ドライバーが減っても、青果物の流通が維持できるようにしたい。物流コストを抑えることができれば、農家手取りのアップにもつながる」(園芸作物課)と事業の意義を説明する。