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 大阪府東大阪市の小中学校の耐震工事をめぐる汚職事件で、大阪地検は24日、市建築部ナンバー2の政策推進担当官、福田逸亮(としあき)容疑者(57)を収賄の罪で起訴する。「仕事帰りに車の中で金を受け取った」。捜査関係者によると福田容疑者はそう述べ、容疑を認めている。意中の業者が下請けに入れるよう、巧みに立場を利用した福田容疑者の姿が府警や市への取材から浮かび上がってきた。

■特殊工法を推奨

 府警によると、業者は市内の土木建築会社「キーマン」。社長の片山実容疑者(48)も同日、贈賄の罪で起訴される。

 逮捕容疑では福田容疑者が受け取った額は200万円、時期は昨年3~4月。捜査関係者によると「仕事帰りにキーマンに寄り、社長を車に乗せて受け取った。自宅の新築費用に充てた」と述べているという。

 2012年4月。東日本大震災を受けて全国で学校の耐震化が進む中、市は建築部建築営繕室に耐震化特別チームを設けた。市内の市立小中学校で耐震性が十分でない建物は全国の市町村で2番目に多い244棟(13年春時点)だった。

 当時、部次長だった福田容疑者は12年9月に建築営繕室長に就いた。職員によると13年度の工事計画づくりを始めたころ、実質的に工法を決める権限があった福田容疑者が指示した。

 「半分をデザインフィット工法にするように」

 08年に開発され、デザインフィット工法協会(山口県)が認めた業者だけができる特殊工法。ボルトをはめる箇所が少なく工期が短いが、協会によると業者は現在、全国で27社で、うち府内は5社、市内はキーマン1社だけだ。

 市が13~14年度に採用した工法は8種類。デザインフィット工法がその4割強を占めた。14年度末までの全国の同工法の施工数約250棟のうち43棟が東大阪市立の小中学校だ。大阪市や堺市の担当者は「公共工事は多くの業者が参加できるのが望ましい。デザインフィット工法などの特殊な工法はよほどの理由がないと検討しない」と話す。

 設計会社に対し、それぞれの工法に詳しい施工業者を市が紹介する――。福田容疑者はそんなシステムを作り、業者選びの権限を握った。同工法の設計にはキーマンが一貫して関わる構図になっていたと府警はみている。