阿部峻介
2015年11月24日12時24分
大阪府茨木市で昨年6月、両親が難病の3歳長女を衰弱死させたとされる事件の裁判員裁判で、大阪地検は24日、保護責任者遺棄致死の罪に問われて無罪を主張する母親(20)=事件当時19歳=に懲役6年を求刑した。大阪地裁の判決は30日に言い渡される。
検察側は論告で、筋力が弱く飲食が難しい難病「先天性ミオパチー」を患う岸本紗弥音(さやね)ちゃんの体重が死亡までの8カ月で3キロ余り減ったことについて、専門医の見解をもとに「病気だけが原因ではない」と主張。「保護義務を果たすことは簡単」と述べ、母親と父親の友希(ゆうき)被告(23)=同罪で起訴=は衰弱を知りながら対処を怠ったと指摘した。
これに対し、弁護側は最終弁論で、母親はほぼ毎日3食与えたが、病気の影響で残す日もあり、体重減少には気づかなかったと反論。死因は呼吸障害の可能性があるとし、夫婦は主治医から十分な助言もないまま懸命に育児をしていたと訴えた。母親は最終陳述で「私たちは紗弥音を愛し、育ててきた。精いっぱい頑張ってきたことが罪になるのはやはり納得できない」と述べた。(阿部峻介)
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朝日新聞社会部
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