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きょう 初の中台首脳会談
11月7日 7時11分

きょう 初の中台首脳会談
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1949年の中台分断後初めてとなる首脳会談を、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が7日にシンガポールで行い、「中国大陸と台湾はともに1つの中国に属する」という考え方が重要だと強調することにしています。
習近平国家主席と馬英九総統による初めての首脳会談は、シンガポールのホテルで、日本時間の7日午後4時から行われる予定です。
双方とも「歴史的な意義がある」とする今回の会談で、両首脳は「中国大陸と台湾はともに1つの中国に属する」という考え方が重要だと強調し、中台関係の平和的発展を確認することにしています。ただ、互いの主権を認めていないため、両首脳は、国家主席と総統の肩書きは使わず、相手を「さん」づけで呼び、協定の調印や共同声明の発表は行わないことにしています。
中国の習主席が会談開催に踏みきったのは、南シナ海情勢などで風当たりが強まるなか、地域の緊張緩和に力を尽くしていると国際社会に印象づける思惑があるとみられます。また、来年1月の台湾総統選挙で野党の民進党が勝利し、政権交代する可能性も見据え、首脳会談の前例を作っておくねらいもありそうです。
一方、馬総統は、今回の会談を、2008年の就任以来進めてきた中国との関係強化の集大成にしたい考えとみられます。しかし、民進党などは「総統選挙に影響を与える意図があるのではないか」と批判していて、会談が選挙にどのような影響を与えるかも注目されます。

馬総統「過去振り返り 未来を展望」 市民には冷めた見方も

中国の習近平国家主席との初の首脳会談を行うシンガポールに出発するのに先立って、台湾の馬英九総統は7日朝、台北市内にある空港で、「今回の会談の目的は、過去を振り返り、未来を展望するものだ。今回の会談を通じて台湾海峡の平和をしっかりとしたものにしたい」と述べました。

馬総統は5日に記者会見を開き、中台首脳会談について「両岸関係は機が熟し、会談を行う運びになった」と説明しました。来年5月に任期満了が迫り、今回の会談をみずからの歴史的な功績にしたいねらいがあるとみられます。
2008年の馬総統の就任以来、中国との経済的な結び付きが急拡大した台湾では、2000年に24%だった中国向けの輸出割合は、去年、40%まで増加しました。
しかし、住民の間からは「会談には疑問を持っている」といった意見や、「会談はよいことだが実質的に役に立たない。現状は変えられない」などといった、今回の首脳会談に冷めた声も聞かれます。
台湾では、今、首脳会談を行う背景には、来年1月の総統選挙が関係しているとの指摘もあります。総統選挙で国民党の候補は劣勢が伝えられるなか、中台首脳会談の開催で挽回したいという思惑がうかがえるからです。
最大野党の民進党の候補は、「この時期の会談は『総統選挙に影響を与える意図があるのでは』との疑問を抱かざるをえない」と述べ、会談の開催には政治的意図があると批判しています。
一方、馬総統は「会談を行うのは選挙のためでなく、次世代の幸福のためだ。首脳会談をきっかけに、両岸の指導者の会談を常態化する第一歩にしたい」と述べ、こうした見方を否定し、会談の意義を強調しています。
台湾では、会談での馬総統の言動に関心が集まる一方、住民の間では、政治的なパフォーマンスだとして冷ややかな見方も広がっています。

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