【社説】世界5大通貨に浮上した人民元、韓国は対応策急げ

 中国は既に貿易取引に人民元を使用することを奨励し、海外に自国通貨を輸出している。中国の貿易に占める人民元の使用割合は2011年に6%台にすぎなかったが、昨年には3倍の22%に達した。また、上海で11の主要貿易相手国と人民元を直接取引する市場を運営している。いずれも人民元の影響力を高めるための布石だ。

 韓国はそんな中国に輸出の25%を依存し、年間500億-600億ドルの貿易黒字を上げている。それでも人民元建て決済は3%にすぎない。93%はドル建て決済だ。中国偏重の輸出市場を多角化することも重要だが、決済通貨のドル偏重も改善が急がれる。ドルの相場変動で韓国企業の業績が左右される体質も改善できる。人民元決済の拡大は企業がウォンをドルに、さらにドルを人民元に換える取引コストの節約にもつながる。

 韓国政府は昨年12月、ソウルにウォン・人民元の直接取引市場を開設し、来年後半には中国上海にウォンとの直接取引市場を設け、人民元取引を拡大する構えだ。しかし、まだ実績は伸び悩んでいる。ドルに慣れた企業と金融機関が人民元に抵抗を感じているからだという。人民元のパワーはますます強まる。変化に適切に対応できるかどうかで韓国の経済と金融の将来も完全に変わる。その事実を政府と企業は肝に銘じるべきだ。

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