中国の通貨人民元がドル、ユーロ、英ポンド、円に続く5番目の基軸通貨に浮上する可能性が高まった。国際通貨基金(IMF)の大半が今月末の理事会で人民元をIMFの特別引出権(SDR)通貨に組み入れることに賛成する意向とされる。SDRはIMF加盟国が金融危機の際に使用する救済金融資金だ。人民元がそこに含まれれば、世界5大通貨の一角に浮上し、国際的に信頼される通貨として認められることを意味する。
世界1位の貿易大国である中国が「カネの影響力」という面でも世界の中心国としての地位を固めることになる。中国は同時に人民元取引の自由化も約束した。新華社は4日、中国政府が最近閉幕した中国共産党第18期中央委員会第5回総会(5中総会)で、人民元を2020年までに自由に取引、使用できる通貨にしていくことを決めたと伝えた。
人民元の急浮上は70年近く維持されてきたドル覇権時代の変化を予告している。世界各地の中央銀行は人民元建ての債券や株式を含め、外貨準備で人民元の保有を増やすとみられる。金融界では人民元が基軸通貨となれば、1兆ドル規模の追加保有需要が生じるとみられている。ドルに偏った外貨準備を各国中央銀行も若い通貨である人民元で多角化したがっている。
また、貿易取引における人民元の使用割合も高まるとみられる。現在貿易決済通貨に占める人民元の割合は2.8%で、ドル(45%)、ユーロ(27%)、ポンド(8.5%)に次ぐ4位だ。日本円(2.78%)をわずかに上回っている。中国が人民元による貿易決済を認めてから6年目での成果だ。基軸通貨指定は人民元パワーの強化に拍車をかける見通しだ。世界貿易で中国が占める割合は11%、貿易規模は4兆3063億ドルに達する。世界2位の米国を3000億ドル以上上回る。巨大な貿易規模の半分を人民元建てで決済しても、人民元はアジアを代表する通貨に浮上する。韓国の経済界、金融界はそうした変化に積極的に対応すべき時期を迎えている。