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コラム

うつ病の方とはどう接するべき? 周囲が心がけておくべきポイント

“心の風邪”、あるいは“脳の風邪”ともいわれるうつ病は、誰もがかかる可能性のある“心の病気”です。「気の持ちよう」や「性格の改善をめざす」ことで治るものではありませんが、周囲の人は、つい「元気出して」「やる気の問題」といった言葉を口にしがちです。この病気の症状を克服するのには周囲のサポートが不可欠。どんな接し方をすればよいか、留意していただきたいポイントをご紹介します。

掲載日:2015年11月06日

うつ病の方とはどう接するべき? 周囲が心がけておくべきポイント

本人より先に見つけたいうつ病のサイン


うつ病もほかの病気と同様、早期発見・早期治療が大切なため、病気のサインを見逃さないようにしたいものです。


うつ病の症状としては、下記があげられます。


楽しみや喜びを感じにくくなり、趣味や好きなことを楽しむことができなくなります。不眠、疲れがとれない、性欲の減退などがおこる場合もあります。また、憂うつな気分だけでなく、不安やイライラする、といった症状があらわれることもあります(うつ病の初期症状)
憂うつな気分が晴れず、頭痛、肩こり、動機、めまい、胃の不快感といった症状がからだにあらわれます。(うつ病の進行症状)

治療ノート「うつ病」ページより



ただし症状が軽いうちは、こういったサインに気づかなかったり、たとえ「あれ?」と思っても、うつ病を疑うことをせず、自分の変化を他人に知られまいとする人もいます。だからこそ、周囲の「気づき」が大きな意味をもってきます。


たとえば、「いつも不機嫌でイライラしている」「笑わなくなった・しゃべらなくなった」「ぼんやりしていることが多い」「服装にかまわなくなった」「外出することが減った」「仕事(学校)に行きたがらない」「家事をさぼるようになった・家事がうまくできない」などの変化は、本人よりむしろ周りの人のほうが先に気づきやすいものです。


身近な人の変化に気づいたら、接し方を考えていく必要があります。



“よく話を聞いてあげる”ことが接し方の基本


うつ病の人はさまざまな悩みを抱かえていますが、悩みは人に話すだけで、ずいぶん軽くなるものです。周囲の人がまずできるのは、真摯に話を聞いてあげること、いわば「聞き上手」になることです。


とくにうつ病の人は、ささいなことで怒ったり、泣いたりなど感情の起伏が激しい反面、無気力だったり、なんでも悲観的に考える傾向も見られ、ときに妄想を抱いていることもあります。


そういう相手に対して「聞き上手」であるためには、いくつかのコツが必要です。


相手の話に理解と共感を示す

会話の内容が正しいか、つじつまが合わないかを吟味するのではなく、相手がどういう心情で話しているかをくみ取りましょう。


相手のペースに乗らない

相手に感情移入して動揺したり憤慨するのではなく、客観的に冷静に聞きましょう。


治療に時間がかかることを伝える

この病気は、今はつらいけれどよくなる時期がくること、ただしよくなるためには時間がかかることを、繰り返し伝えましょう。


うつ病の正しい知識を身につけておく

これによって、患者さんに正しいアドバイスができます。


感情をコントロールする

怒り、不安、あせりなど、自分の感情をコントロールするように努めましょう。



うつ病の人に言ってはいけない言葉・してはいけない態度


うつ病の人と接するとき、避けたい言葉や態度があります。私達が普段何気なく使う言葉でも、うつ病の人からするととても苦しいものになることがあるので気をつけましょう。


代表的なものを下記にまとめました。


励まし

「がんばってね」「しっかりしてね」もちろんよかれと思ってかける言葉ですが、がんばりたくてもがんばれない自分を責めることになり、逆効果です。


わかったふり

「しっかり休んで」「早くよくなって」「心配している」同情されるのはいやですが、かまわれるのを嫌がっているわけではありません。


決めつけ

「そんなふうに考えるからだめだ」「要するに怠け者だ」と説教したり、責めたりするのは避けましょう。


解決しようとする

「原因はなに?」「これからどうすればいい?」と解決しようとしたり、「からだを動かしたほうがいい」とスポーツや旅行に誘うのも負担になることがあります。



まとめ ~そばで静かに見守ることが最良のサポート~


うつ病の人は心身の不調が重なる場合が多いので、周囲の人たちに当たったり、逆に周囲の人たちを避けようとする傾向が見られます。そのため、周囲の人たちも、できるだけ接触を避けたり、無視しようとしたりします。


しかしうつ病の人は孤独で、身近な人たちから世話を焼いてもらったり、かまってもらいたいと思っています。


現状をあるがままに認め、「黙って話を聞きながら寄り添ってあげる」のが、うつ病の人に対するベスト・サポートといえるでしょう。


うつ病についてさらに詳しく知りたい方は下記リンクをご参照ください。

 


著者情報

治療ノート編集部
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