今年初めに出場を決心し、コンクールに備えて携帯電話を使わないことにした。メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も断ち切った。早々に出場を宣言して以来、9カ月間ずっとショパンだけを演奏した。最終審査発表前、ショパン国際ピアノコンクール協会とのインタビューでは「ショパンだけを演奏し、ショパンのように暮らした」と言った。子どものころのチョ・ソンジンに才能を見いだし、指導してきたパク・スクリョン順天大学教授は「彼はピアノを指だけで弾くのではなく、一つの曲を弾くと決めたら関連本を数十冊探してきて読み、CDを100枚聞き、美術館や博物館にも通っていろいろ勉強する子だった」と言った。チョ・ソンジンは芸苑学校とソウル芸術高校を卒業、2012年からフランスのパリ国立高等音楽院で勉強している。
ショパン国際ピアノコンクールは1927年にポーランド政府がポーランドで生まれた作曲家ショパン(1810-49年)をたたえるために始めたコンクールだ。若い音楽ファンの間では、日本の漫画「ピアノの森」で主人公が劇的な優勝を果たすコンクールとしても知られている。韓国人出場者では2005年にそろって3位になったイム・ドンミン、ドンヒョク兄弟が最高順位だった。キム・ヨンベ元社長は「『ショパンならではの優雅で洗練された情緒は東洋人には到底まねできない』とするヨーロッパ音楽界の先入観を打ち破った。韓国の音楽界としても最後の未到の地に至ったという意味を持つ」と語った。
18日(現地時間)の決選の舞台で、チョ・ソンジンは10人のうち1番手で登場した。チョ・ソンジンは落ち着いて、40分間にわたりショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏した。音が一つ一つはっきりとしていて、玉が転がるように美しく響いた。ほかの出場者が優勝するとみていた専門家もいたが、チョ・ソンジンは自分の名前が呼ばれた瞬間、にっこり笑った。2位はカナダのシャルル・リシャールアムラン、3位は中国のケイト・リュウだった。今回のコンクールでチョ・ソンジンは本選から決選まで4回ステージに上がり、協奏曲・マズルカ・スケルツォなど合計38曲を演奏した。チョ・ソンジンの本選・決選の演奏は来月、ドイツ・グラモフォン(DG)からアルバムとして発売される。