小林恵士 永田大 峯俊一平、工藤隆治
2015年10月17日05時39分
横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、杭の先端部で使うセメントの量のデータが偽装されていたことが16日わかった。マンションは、傾きのない棟を含む全4棟の建て替えを前提に業者が住民と協議する。住民の賛否は分かれ、建て替えの条件となる住民合意は見通せない。
杭の工事をしたのは、旭化成の子会社の旭化成建材。旭化成と横浜市によると、杭は4棟の地下に計473本打ち込まれている。
セメント量のデータが偽装されていたのは、傾いた1棟と他の2棟に使われていた45本。工事の際、杭の先端部を固定する「根固め」の工程で流し込むセメント量について、計器のデータ転用や改変が確認されたという。量が少ないと、杭の固定が不十分になる可能性がある。
杭が強固な支持層に到達したかを記録するデータも3棟の38本で偽装されていたことがわかっている。セメント量のデータ偽装と重複している杭もあり、偽装がある杭は計70本になるという。いずれのデータも、掘削機に搭載された同じプリンターで印刷する仕組みだ。
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朝日新聞社会部
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