朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は15日朝(現地時間)、訪問中の米国で国防総省本庁舎(ペンタゴン)を訪問した。大韓民国大統領としての訪問は李明博(イ・ミョンバク)前大統領に続いて2回目。米国防省はこの日の公式日程として朴大統領を出迎えた。大統領府の関係者は「米国が異例の配慮を示した」とコメントした。
先月北京で行われた抗日戦勝記念行事の際、天安門の上から軍事パレードを見守った朴大統領は、わずか1カ月後に米軍の心臓部に立った。北朝鮮の核問題解決と統一に向けて鍵を握る米中両国を行き来したわけだ。今回の朴大統領によるペンタゴン訪問には、韓国の中国傾斜に懸念を示す米国の各界に、韓米同盟の強固さをあらためて示すという意味合いもあった。
公式行事はペンタゴンの建物前の練兵場で16分にわたり執り行われた。開会宣言と隣席する上官への敬礼に続き、21発の礼砲が打たれ、さらに大韓民国と米国の国歌演奏、朴大統領による閲兵、儀仗(ぎじょう)隊による行進と続いた。大統領府は「通常ならペンタゴンを訪問した韓国や外国の首脳、あるいは貴賓に対しては、5分の簡単な歓迎行事で終わる」と説明した。
朴大統領は芳名録に「韓米同盟を基礎に、韓半島(朝鮮半島)の平和統一時代が切り開かれることを願います」と書き込み、国防長官専用の会議室に移動した。ここは2011年に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が米軍首脳と会談したタンクルーム(作戦室)とは別の部屋だ。朴大統領はカーター国防長官をはじめとする米軍幹部らとあいさつを交わし、現在の韓半島情勢や韓米両国の軍事面における懸案などについて意見を交換した。北朝鮮による核開発や長距離ミサイル発射の脅威、戦時作戦統制権移管の延期問題、韓米両国によるサイバー安全保障、宇宙分野での協力などが主なテーマだった。
会見を終えた朴大統領は、カーター長官と共に会議室前の廊下で米軍幹部らと「ロープ・ライン・ミーティング」を行った。「ロープ・ライン・ミーティング」とは隊列を形成した状態で行う略式ミーティングのことだ。朴大統領は韓国に赴任し、あるいは赴任する予定の31人の米軍将校や、米国に派遣されている韓国軍将校5人に「皆さん一人一人は韓米同盟そのものだ」と語り掛けた。続いて英語で「韓国は感謝の意を伝えたい。今後も共に進んでいこう」と述べると、将校たちは「共に進んでいきましょう」と韓国語で叫んだ。