フラッシュメモリメーカーの米SanDiskが身売りを検討しており、半導体メーカーの米Micron Technologyとハードディスクドライブ(HDD)メーカーの米Western Digitalがそれぞれ買収の可能性を協議している。Bloombergが10月13日、そう報じた。
Bloombergがこの件に詳しい関係筋の話として報じたところによると、SanDiskは事業売却の可能性を検討するために銀行を起用したという。13日の終値に基づくSanDiskの時価総額は約126億ドルだ。
Bloombergによれば、まだ結論は下されておらず、交渉はまとまらない可能性もある。
SanDiskは、クラウドコンピューティング、データセンター、スマートフォン、ノートPCなどに使われるフラッシュメモリを製造している。13日の時間外取引でSanDiskの株価は12%上昇。Micronの株価は3%上昇し、Western Digitalの株価は1%下落した。
SanDiskとWestern DigitalとMicronにコメントを求めて問い合わせたが、すぐには返答を得られなかった。
Wedbush Securitiesのアナリスト、ベッツィ・ファン・ヘース氏によれば、SanDiskが売却先としてMicronを選ぶかWestern Digitalを選ぶかは難しい判断だという。Micronはフラッシュメモリ事業で既に大きな成果を上げており、一方のWestern Digitalは主に従来型HDDを製造している。
SanDiskのフラッシュメモリチップはSSD(Solid State Drive)に使われている。SSDは従来型HDDよりも高速で信頼性が高い。
ファン・ヘース氏によれば、中国は今後堅調な成長が予想される半導体市場でのシェア拡大を目指しており、SanDiskの買収には中国のある複合企業も大いに関心を寄せている可能性があるという。
中国政府系企業で半導体大手のTsinghua Unigroup(紫光集団)は今夏、Micronに230億ドルでの買収を提案したと報じられたが、この計画は安全保障上の懸念から、米規制当局に待ったをかけられている。
またTsinghua Unigroupは9月下旬には、Western Digitalの株式15%を取得し、37億8000万ドルを出資すると発表している。この資金注入により、Western Digitalは最大の関心分野であるフラッシュメモリとSSD事業でより大きな一歩を踏み出せることになる、とアナリストらは指摘する。
SanDiskの株価は年初来約37%下落している。同社はフラッシュメモリ市場の価格低下や在庫水準の低さなどの問題に取り組んでいる。
SSDに使われる一部の組み込み部品の販売遅延も、同社の業績を圧迫する要因となっている。
野村証券のアナリスト、ロミット・シャー氏は先週、「SanDiskは1株当たり90ドルを下回る買収提案は拒否するだろう」との見方を示した。
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