魚と野菜をよく食べると血糖値、中性脂肪、コレステロールはどうなるのか?
中国の青年2,095人のデータから

from Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD


写真はイメージです。本文の内容とは関係ありません。 (C) BlueOrange Studio - Fotolia.com


魚や野菜は、2型糖尿病脂質異常症の予防によい影響があると考えられています。これらの検査値との関連が知られた遺伝子変異の影響を調べる研究で、食生活が遺伝子の影響のもとに、検査値を変えることを示唆する結果が報告されました。


◆中国の健康調査から

この研究は、中国の青年を対象にした研究のデータを使い、食生活と検査値の関連を調べました。

 

◆血糖値、中性脂肪の変化に遺伝子が影響

次の結果が得られました。

性、年齢、BMI、社会経済的状態(学校の区分、父親または母親の教育水準)によって調整した線形回帰分析で、週当たりの野菜の摂取頻度は空腹時血糖と負の関連があった(P=0.044)。魚の摂取量が少ない人は概して中性脂肪値が高く、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールは少なかった(0.006

野菜の摂取量が多いことは、遺伝子型CCの人でだけ中性脂肪値の減少を示し(Ptrend=0.020)、魚の摂取量が多いことは、遺伝子型TTの人でだけ中性脂肪値の減少と関連した(Ptrend=0.026)。

野菜を多く食べる人で血糖値が低く、魚を多く食べる人で中性脂肪が低く総コレステロールが高い傾向が見られました。ある特定の遺伝子について、野菜または魚を多く食べる人で中性脂肪が低いという関連が、それぞれ特定の型の変異があった人にだけ見られました。

 

食生活と健康の関係はさまざまな角度から研究されていますが、その関係の中には多くの段階が関わっていると考えられます。たとえば、野菜や魚に含まれる栄養素が血中の中性脂肪に影響するために、体内のさまざまな物質と反応することが関わると考えられます。

この結果は、遺伝子変異による影響をより詳しく知り、それぞれの人に適した生活習慣を考えるための手掛かりになるかもしれません。


◆参照文献

Early gene-diet interaction between glucokinase regulatory protein (GCKR) polymorphism, vegetable and fish intakes in modulating triglyceride levels in healthy adolescents.

Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2015 Oct

[PMID: 26234566 ]


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