旧日本軍の元慰安婦に対する補償が十分ではなかったとして、以前の在韓日本大使館の建物に放火しようとして起訴された57歳の男が、裁判所で寛大な処分を求めた。
一般建造物放火予備罪に問われた男に対し、ソウル中央地裁刑事25部(キム・ドンア裁判長)で7日行われた初公判で、男の弁護人は「酒に酔った状態で偶発的に起こったことだ」と主張した。
男の弁護人は「個人的な怨恨や利害関係によって犯行に及んだのではなく、日本側の誠意のない態度に対する公憤を表現したものだ」とした上で「緻密(ちみつ)に放火を計画して実行したわけではない」と強調した。
さらに弁護人は「警察の検問に対し特に抵抗したこともなく、実際に火災に至ってもいない点を考慮してほしい。誤った行動を取ったことについては反省している」と主張した。
男は先月5日午後7時20分ごろ、ソウル市鍾路区の旧日本大使館の建物に放火する目的で、ガソリンが入った焼酎瓶3本と1.5リットルのペットボトル1本を持ち、旧大使館正門まで歩いていったが、警察官に発見されたため未遂に終わった。
男は、日本政府が旧日本軍の元慰安婦に対する補償を十分に行わなかったことに対し不満を抱き、大使館に火を付けようとしていたことが分かった。