韓国のTPP加盟、最大の障害はコメ市場開放

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)には、コメをはじめとする農産物市場の大幅開放、新薬特許のデータ保護期間の8年間への延長など韓国にとってセンシティブな内容を多く含まれていることが7日までに判明した。TPP加盟方針を事実上固めた韓国政府としては負担を感じざるを得ない。一方、産業分野では自動車など一部分野を除けば、韓国の輸出競争力が高まるとみられている。

■迫られるコメ市場開放

 韓国産業通商資源部(省に相当)は、米貿易代表部(USTR)が発表したTPP協定文の要約と独自分析に基づき、「TPPが韓国に最も大きな影響を与える分野はコメなど農産物市場の開放だ」と指摘した。日本は今回の協定でコメ、乳製品、サトウキビ、牛肉、豚肉という5つのセンシティブ分野で関税や非関税障壁をかなり撤廃することを決めた。これにより、韓国のTPP加盟ではコメ市場開放問題が最大の焦点となった。

 チェ・ギョンファン経済副首相は6日、「TPP加盟を決定する際、コメ市場は引き続き保護するというのが政府の方針だ」と強調した。しかし、専門家はTPPに加入するためには農産物市場の開放が避けられないとみている。崔炳鎰(チェ・ビョンイル)梨花女子大国際大学院教授は「日本まで(農産物市場を)開放した状況で、後から加盟申請を行う韓国が農産物市場を開放しないと言い張るのは難しいのではないか」と指摘した。

 バイオ新薬のデータ保護期間もカギとなる。TPPはバイオ新薬のデータ保護期間を実質8年(基本5年プラス安全性確認のための審査期間3年)としたが、韓米自由貿易協定(FTA)では5年となっている。TPP加盟時の米国との二国間交渉で米国が他のTPP参加国に準じ、データ保護期間を8年に延長するよう求めてくれば、韓国には圧力となる。当面は医薬品価格の上昇で、国民健康保険の財政に影響を与えかねないとみられている。

崔賢黙(チェ・ヒョンムク)記者 , ユン・ヒョンジュン記者
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