北朝鮮による全面戦および局地挑発に備えた新たな韓米連合作戦計画、「作戦計画(OPLAN)5015」を実行する韓米合同演習を、2017年から韓国軍主導で実施するのに伴い、OPLAN5015が注目を集めている
OPLAN5015は、韓国軍の崔潤喜(チェ・ユンヒ)合同参謀本部(合参)議長とスカパロッティ韓米連合司令官が今年6月に署名したことで発効した、新しい作戦計画だ。1970年代以降、全面戦に備えた韓米合同作戦計画としては「OPLAN5027」が代表的だったが、OPLAN5015がこれを代替することになった。OPLAN5015は、もともと今年12月に戦時作戦統制権(統制権)が韓国軍へ移管される場合に備え、2007年から韓米両軍が一緒に作業してきたものだ。当初の計画では、統制権を移管した後、「韓国軍主導、米軍支援」という枠組みで作戦計画が作られる予定だった。しかし昨年10月、韓米の国防長官会談で統制権移管が事実上無期限延期されたのに伴い、従来のOPLAN5027と同様、韓米連合司令部が主導する形でOPLAN5015が作られた。
OPLAN5015の内容は2級秘密のため、韓国軍当局はこれについて徹底して口を閉ざしている。今年8月末、この計画が一部メディアで報じられた後、スカパロッティ司令官が崔議長に強く抗議し、機務司令部(韓国軍の情報部隊)などで保安調査が行われている。国会国防委員会は、合参に対してOPLAN5015に関する報告を何度も要求し、当初は今月5日に報告がなされる予定だったが、合参はOPLAN5015の内容ではなく軍事的に備えている態勢だけを報告するなど、国会と軍当局との間で神経戦も続いている
消息筋によると、OPLAN5015はOPLAN5027に比べ、有事における韓国側の被害をできる限り減らしつつ、いわゆる「斬首作戦」など、北朝鮮政権首脳部に対する精密攻撃で早期に勝利することを目標にしている点が最大の特徴だ。
従来のOPLAN5027は、北朝鮮が全面戦挑発を行った場合、しばらくは防御に重点を置き、開戦から90日以内に大規模な米増援軍が韓半島(朝鮮半島)へ派遣された後、ようやく本格的な北進を行って北朝鮮の政権を倒すことになっている。計画の上では、米増援軍の規模は兵力69万人、空母打撃群5個をはじめ艦艇約160隻、航空機約1600機などとなっている。しかしこれには、二つの大きな問題があった。増援軍到着まで3カ月間、韓国の地域が大きな被害を受ける可能性が高く、またそれほど多くの米軍の兵力や装備が、果たして実際に韓半島へ派遣され得るのかという点だ。韓国軍の関係者らは「OPLAN5027の通りなら、韓国が勝つにしても『廃虚の中の勝利』になるほかないというのが問題だった」と語った。