ノーベル賞:なぜ韓国の科学界は日本に大差を付けられているのか

日本「ノーベル賞ラッシュ」の秘密
2002年に続き物理学賞受賞
100億円以上かけて作った廃鉱実験室がノーベル賞の宝庫に
他の研究者がしない実験にこだわる「職人気質の科学者」を全面支援

 この実験は2つとも成功した。カミオカンデの実験を主導した東京大学の小柴昌俊名誉教授は2002年にノーベル物理学賞を受賞した。今回受賞した梶田氏は小柴氏に師事し、共にスーパーカミオカンデで実験した。初期の理論研究、持ち前の職人気質で推進した実験、そして政府の全面的な支援という三拍子が適切な時期に行われ、うまくいったのだ。

 一方、韓国の基礎科学はというと、1966年に韓国科学技術研究院(KIST)が設立されたのをきっかけに始まったと言える。それも当時は自動車・機械などいち早く成果を挙げられる産業化基盤研究に力を注いだ。韓国科学技術企画評価院のチャ・ドゥウォン研究員は「ノーベル賞をもらえるほど画期的な研究が必要だという意識が生まれたのは2000年代以降のこと」と語った。

 今も基礎科学研究院(IBS)に建設中の重イオン加速器については議論が分かれている。重イオン加速器はノーベル物理学賞受賞者を十数人輩出し、「ノーベル賞製造機」と呼ばれている。世界最大の基礎科学研究集団である独マックス・プランク研究所のマルティン・ストラットマン理事長は「韓国の科学技術は焦点が研究テーマにだけ当てられている。科学をやるのは人間だということを忘れてはならない」として、成果をすぐに出すことよりも、優れた科学者に時間と自主性を保障すれば、より多くのものが得られると助言した。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者 , パク・コンヒョン記者
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