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THE NOVEMBERSの発想をがらりと変えた、土屋昌巳による学び

インタビュー・テキスト:小野島大(2015/10/07)

THE NOVEMBERSの新作『Elegance』がリリースされる。タイトル通り、彼らの優雅で洗練された美しい一面が浮き彫りにされた充実の6曲をプロデュースしたのは、土屋昌巳である。一風堂、JAPAN、そして現在はKA.F.KAで活躍する伝説のミュージシャンであり、BLAKEY JET CITYやGLAYなど数多くのバンドを手がけた屈指のプロデューサーである土屋とTHE NOVEMBERSの出会いは、もしかしたらこれからの日本のロックを変えていくかもしれない。

THE NOVEMBERSのフロントマン小林祐介が、元BLANKEY JET CITYの浅井健一とのバンドROMEO's bloodでも活動していることが、今回のコラボレーションのきっかけとなった。小林と土屋の「新・師弟対談」をお届けする。

PROFILE

THE NOVEMBERS(ざ のーべんばーず)
2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。小林祐介(Vo,Gt)はソロプロジェクト「Pale im Pelz」や、CHARA,yukihiro(L‘Arc~en~Ciel),Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO's bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画『ラブ&ピース』にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2015年10月7日にEP『Elegance』をリリース。
THE NOVEMBERS


土屋昌巳(つちや まさみ)
静岡県富士市出身。1970年代からスタジオミュージシャンとして活動を開始、りりィのバックバンド「バイバイ・セッション・バンド」、大橋純子のバックバンド「美乃家セントラル・ステイション」を経て1978年に一風堂を結成し、1984年まで活動。イギリスのバンドJAPANのワールドツアーにサポートメンバーとして参加。それがきっかけで1985年には同じイギリスのバンドであるARCADIAのレコーディングにも参加している。1990年代はTHE WILLARD、BLANKEY JET CITY、マルコシアス・バンプのプロデュースを手掛ける。2013年6月より、Issay(DER ZIBET)、ウエノコウジ(the HIATUS、ex.TMGE)、宮上元克(ex.THE MAD CAPSULE MARKETS)、森岡賢 - (minus(-)、ex.ソフトバレエ)と共に、KA.F.KA.を結成。
土屋昌巳Official | Masami Tsuchiya Official | オンラインショップ

今の音楽シーンのレベルの低さを見てると、THE NOVEMBERSは理解されなくて当然だろうなとは思ったけど、彼らがレベルを下げる必要なんてない。(土屋)

―まず、土屋さんがプロデュースすることになった経緯を教えてください。

小林:前作『Rhapsody in Beauty』は、洗練とかデザイン性とか構築美とかにあえてとらわれないで、知的好奇心の赴くまま、自分たちが「美しい」と感じたものを作ろう、というアルバムだったんですね。今回はその経験を踏まえたうえで、しっかりデザインされたポップなもの、透明感のあるものを、これまでより一歩成長できた形で作れたらと思ったんです。それまでは自分たちのセオリーとか慣例みたいなもので曲を作ってきたんですけど、何か新しいきっかけがあったらいいなとも思うようになって。で、僕や高松(浩史。THE NOVEMBERSのベース)が、(土屋)昌巳さんの仕事にすごく影響を受けてきたので、半ば夢物語的に、「昌巳さんにプロデュースしてもらえたらなんて素敵なんだろう」って、ずーっと言ってて。

THE NOVEMBERS
THE NOVEMBERS(左から2番目が小林祐介)

―そう言ってたら、その夢を叶えてくれる人物が現れたと。

小林:そう。ベンジーさん(浅井健一)と一緒に始めたROMEO's bloodのスタジオで、初期ブランキー(BLANKEY JET CITY)の話から昌巳さんの話になることが何回かあったんですね。ベンジーさんが「昌巳さんと一緒にやれて勉強になったし、自分たちではできなかったことがいっぱいできて、成長した」と言ってて。で、「昌巳さんにプロデュースしてもらいたい」って話をしたら、「(小林)祐介は昌巳さんと合うと思うわ。電話しとくわ」って言ってくれて。

―土屋さんはその電話を受けて……。

土屋:びっくりしましたね。ベンジーって、電話とかしてくる人じゃないし。近くで呑んでるときに突然奇襲をかけられることはあるけど(笑)、自分のバンド以外のことで僕に電話をかけてくるのは初めてでしたから。そんなことを気軽にする人じゃないからこそ「あ、間違いないな」と。「どんなバンドなの?」って訊いたら、「ええがや」って(笑)。

土屋昌巳
土屋昌巳

―そのときの様子が目に浮かびます(笑)。

土屋:それだけで大丈夫だと思いました。それで小林くんに会っていろいろ話して、音を聴かせてもらって。なぜこれまで売れなかったんだろうってすごい不思議でした。

小林:(苦笑)。

土屋:素晴らしかったんですよ。音も詞も。レベルが高すぎるのかも、とは感じました。今の音楽シーンのレベルの低さを見てると、THE NOVEMBERSは理解されなくて当然だろうなとは思ったけど、彼らがレベルを下げる必要なんてない。それをわかったうえで僕らはやっていかなきゃいけないわけでね。




―それをわかりやすく一般に提示するのもプロデューサーの仕事ですね。

土屋:そうですね。今回も音楽的には素晴らしいんだけど、一般にはわかりづらいところがいっぱいあったんですよ。でも「これがいいんだ」ってメンバーは言うから、「そこまで覚悟が決まってるなら言うことはない」と。

―具体的にはどういう部分ですか?

土屋:随所にありましたよ。たとえば歌詞。僕はすぐに理解できましたけど、一般的にはなにを歌ってるか理解されないであろう表現がいくつもある。でも「なにを歌ってるか」は、そんなに大事じゃないんです。つまり、聴く人によってなにを感じるか、だから。「なにを言ってるんだろう」って、その人が本気で興味を持ったら、理解しようとするじゃないですか。結局大事なのはそこなんですよ。「理解しようとさせる」だけの力があるかどうかが、バンドとして生き残れるかどうかの差であって。

―なんだかわからないけど、どこか引っかかる、とか。なんだかわからないけど美しい、とか。そう思わせる力。

土屋:そうそう。今の日本の音楽シーンみたいなレベルの低い文化の中で、「理解しよう」と努力させるのはとんでもなく大変なことなんだけど、結局それが芸術なんですよね。簡単にわからせない、っていう。僕なんかも、30年前ぐらい前に聴いていた音楽が、今になってやっとあの人たちがなにをやろうとしていたかわかりかけてきた。当時は「かっこいい」って飛びついて、それ以上はわからなかった。もちろん当時もわかろうとはしたんだけど、今は深さが違うでしょ。だから今回のアルバムも、「理解しようとしてくれる」人たちが増えるといいなと。それができれば大成功じゃないですか。


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