アニメ塗り、ブラシ塗り、厚塗りなど
デジタルイラストには数多くの塗り方があります。
レイヤー効果やブラシの使い方などによって仕上がりはどう変わるの?など
今回は少し踏み込んだ「塗り方による仕上がり方の違い」を徹底比較。
- アニメ塗り
- ギャルゲ塗り(ブラシ塗り)
- アナログ風塗り
- 厚塗り
などを中心に、現役のイラストレーターが10種類の塗り方をご紹介します。
ニュアンスの違いをチェックして、塗り方の理解を深めましょう。
※塗り方の定義は見解によって異なるため、MUGENUPでの解釈に基づいた表記となります。
アニメ塗り
1.アニメ塗り
デジタル塗りの基本となるアニメ塗り。
- ぼかし
- グラデーション
- エアブラシ
- 影の消しゴム抜き
などの技法があまり必要とならないため、デジタル絵の初心者はアニメ塗りから始めることをオススメします。
光源に基づき、パーツの形に沿って明暗を分けて制作します。
こちらのアニメ塗りは、以下の3つのレイヤーで構成されています。
- ハイライト
- 影(1影) ※
- ベース(配色)
※1影…1段階目の影色を差します。2、3段階目の影色はそれぞれ2影、3影と呼ばれます。影色の幅を増やすこととで、立体感の描写を加える効果があります。
アニメ塗りを習得してから新たな塗り方を覚えよう
「1.アニメ塗り」を習得すると様々な塗り方への応用が効くようになります。アニメ塗りだけでも様々なテイストを描くことができるので試してみましょう。
2.アニメ塗り+2影(A)
「1.アニメ塗り」に影色(2影)をもう一色増やした塗り方です。
明暗の色幅ができ、より立体的に見えるリッチな仕上がりです。
3.アニメ塗り+2影(B)
「2.アニメ塗り+2影(A)」と明暗の階層の色数は同じですが、ベースと1影部分の境界に2影を加えました。境目を強調したことで、パーツの形状が際立ちます。
このように、色数は同じでも塗り方で印象を変える事ができます。
4.アニメ塗り+グラデーション
「1.アニメ塗り」にオーバーレイなどで色味を加えて、グラデーション表現を追加しました。滑らかな色の移り変わりが加えられた為、ベタ塗りのアニメ塗りよりもツヤのある印象です。
5.アニメ塗り+柔らかいブラシ
「2.アニメ塗り+2影(A)」の色と色の境界の一部を柔らかなブラシでなじませた塗り方です。少し手を加えるだけで、ふんわりと優しい印象に変わりました。
ギャルゲ塗り(ブラシ塗り)
6.ギャルゲ塗り
アナログ塗り、アニメ塗り、厚塗りと並んで良く目にする塗りのひとつです。
こちらはアニメ塗りを元に、消しゴムツールやエアブラシなどで丁寧に影色を馴染ませています。「恋愛シュミレーションゲーム(ギャルゲー)」のイラストに多いため、このような名称がつけられたようです。
7.ブラシ塗り(エアブラシで立体感を出した塗り)
アニメ塗りにエアブラシやぼかしを用いてより立体感を出した塗りです。
アナログ風塗り
アニメ塗りにさらなる描き込みを加える
アニメ塗りをベースに
・テクスチャやブラシの質感の追加
・筆ブラシで塗りを重ねる
・オーバーレイなどのレイヤー効果に追加
などをすると塗りの幅が広がります。
8.アナログ風塗り
コピックや絵の具で塗ったようなテイストで、アナログの質感を感じるデジタル塗りの一種です。テクスチャやブラシでアナログ風の質感を出しています。
厚塗り、その他の塗り
9.透明感のある塗り
ハイライトを意識して置くことで、ツヤツヤとした透明感を出しています。
オーバーレイで色幅をプラスしている点もポイントです。特に女の子のキャラクターを塗る際、肌だけをこのような塗り方にして、潤いやツヤ感のある肌を表現することもあります。
10.厚塗り
アナログ塗り、アニメ塗り、ギャルゲ塗りと共に良く見られる塗りです。
筆ブラシなどで何度も塗り重ね、それぞれの質感を出して描き進めます。手数がかかりますが、高級感ある仕上がりになります。
いかがでしたか?
「同じイラスト + 配色」でも、塗り方だけでこんなに印象を変えることができます。
様々な塗り方に挑戦し、レパートリーを増やしてみましょう。
表現の幅もぐんと広がり、より創作が楽しくなりますよ!