2015年10月3日、英国チェスターのプライド・フェスティバルでホモフォビックな看板を掲げていた人たちが、ある男性の広げたポスターによって完膚無きまでにおちょくられました。
詳細は以下。
This Guy Just Ridiculed Homophobic Pride Protesters In The Best Way Possible|The Gaily Grind
何が起こったのか、まずは写真で全貌をごらんください。
WATCH | We love this guy's approach to homophobic protestors at @ChesterPride: http://t.co/KofOJ3AKi6 pic.twitter.com/W6JgpnQxsD
— Attitude (@AttitudeMag) 2015, 10月 5
写真の向かって右側には、聖書を引用した看板で同性愛に反対する男性たちが写っています。注目すべきは、その向かって左側に立っている男性の方。彼は黄色いポスターをかかげており、ポスターには右向きの大きな矢印と、こんな文章が印刷されています。
統計的に言って、ホモフォーブ(同性愛嫌悪の人)はそうでない人よりゲイである可能性が高い。
HOMOPHOBES ARE STATISTICALLY MORE LIKELY TO BE GAY.
これは事実で、たとえばこんな研究結果が存在します。
- 異性愛者を自称しつつも心理テストで同性に惹かれる傾向を示す人は、同性愛者への敵意が強く、アンチゲイな政策を支持する傾向が強かった(Homophobic? Maybe You’re Gay - The New York Times)
- ホモフォビックな男性のグループとホモフォビックではない男性のグループに異性愛ポルノ・レズビアンポルノ・ゲイポルノを見せてペニスの勃起状態を調べたところ、ゲイポルノで勃起したのはホモフォビックな男性グループだけだった(Is homophobia associated with homosexual arousal? - PubMed - NCBI)
なお、このような現象がみられる理由としては、クロゼット・ゲイの抑圧された同性愛傾向がホモフォビアとなって表出しているのではないかとする説が一般的です。
この黄色い紙を持って立っているのは、チェスターにある非営利教育法人Big HeritageのDean Patonさん。一部始終を写した動画はこちらです。
動画冒頭でPatonさんが言っていることを訳すと、こんな感じ。
「だれかが地獄で焼かれて当然だの何だのと言うのがいいことだと思っているおぞましい福音派のアスホールどもは、こうやっておちょくってやる」
“This is how you troll horrible evangelical arseholes who think it’s nice to say people should burn in hell and what have you,”
道ゆく人たちの反応がまたいいですよね。みんな笑顔になってスマホで写真を撮ってます。おまわりさんまで。それに人に向かって「地獄で焼かれろ」とか言っちゃう人々に対して「おまえこそ焼かれろ」ではなく「統計的にはこうですよ」と返してあげるのは、むしろ親切なんじゃないかと。以前ニュージーランドで、熱力学の法則を使ってホモフォビックなクリスチャンを揶揄する名スピーチをした議員がいましたけど、それと同じぐらいスマートな切り返し方なんじゃないかと思いました。