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素粒子物理学 日本の“お家芸”10月7日 18時46分
今回の梶田隆章さんの受賞決定でノーベル物理学賞の日本人の受賞者は、合わせて11人になりました。このうち梶田さんを含む7人が取り組んだ研究は、いずれも「素粒子物理学」。宇宙の成り立ちなどの解明に必要なこの分野は、日本の“お家芸”ともいわれ、世界をリードしてきました。
戦前から戦後まもない頃の日本の物理学の研究は、実験装置などが不足していたこともあり、主に理論の研究が盛んに進められました。
世界に広く認められるようになったのは、昭和24年、湯川秀樹さんがノーベル物理学賞を受賞してからです。
物質が成り立つためには、「中間子」という素粒子が必要だと予測した湯川さんの理論は、それまでの物理学の常識を覆すもので、素粒子物理学を大きく発展させました。
その頃、湯川さんとともに理論物理学をリードしたのが、のちにノーベル物理学賞を受賞する朝永振一郎さんです。
さらにその2人に師事したのが平成20年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんでした。
南部さんは、湯川さんに憧れて、この分野の研究の道に入り、一時、朝永さんにも学びました。
日本の素粒子物理学の研究は、その後も若い研究者が次々に登場して世界から注目されるようになり、小林誠さんと、益川敏英さんは、ともに30歳前後の時に提唱した理論が裏付けられて、平成20年にノーベル物理学賞を受賞しました。
その一方で、理論を実証する「実験」も日本の得意分野となっていきました。その「実験」をけん引したのが小柴昌俊さんです。
岐阜県の地下深くに作った「カミオカンデ」と呼ばれる巨大な観測装置を使って、太陽ニュートリノと呼ばれる素粒子の観測に成功し、平成14年にノーベル物理学賞を受賞。
さらに、小柴さんの一番弟子の戸塚洋二さんのチームが「カミオカンデ」の規模を大きくした「スーパーカミオカンデ」で、「ニュートリノ」に質量があることを世界で初めて突き止め、平成10年に開かれた国際学会で発表し、これまでの定説を覆しました。
その研究チームで中心メンバーとして活躍したのが今回、ノーベル賞の受賞が決まった梶田さんでした。
脈々と受け継がれ、世界をリードする日本の素粒子物理学。
梶田さんと同じ、素粒子の研究に取り組む東京大学数物連携宇宙研究機構の機構長、村山斉さんは、成果を挙げ続ける日本の研究現場について、「欧米と比べると装置などの規模が小さく物量戦では負けるが、ゲリラ戦のように、ここがおもしろいというところに照準を合わせてよい結果が出ていて、センスのよさが現れている」と指摘します。
そのうえで、今後は、エネルギーなどの調整が可能な、人工的に作り出した「ニュートリノ」を使うことで宇宙の成り立ちや構造、将来を知る重要な手がかりを得ることが期待され、素粒子物理の研究は、「新しい未知の領域に踏み込んだといえる」と展望しています。
世界に広く認められるようになったのは、昭和24年、湯川秀樹さんがノーベル物理学賞を受賞してからです。
物質が成り立つためには、「中間子」という素粒子が必要だと予測した湯川さんの理論は、それまでの物理学の常識を覆すもので、素粒子物理学を大きく発展させました。
その頃、湯川さんとともに理論物理学をリードしたのが、のちにノーベル物理学賞を受賞する朝永振一郎さんです。
さらにその2人に師事したのが平成20年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんでした。
南部さんは、湯川さんに憧れて、この分野の研究の道に入り、一時、朝永さんにも学びました。
日本の素粒子物理学の研究は、その後も若い研究者が次々に登場して世界から注目されるようになり、小林誠さんと、益川敏英さんは、ともに30歳前後の時に提唱した理論が裏付けられて、平成20年にノーベル物理学賞を受賞しました。
その一方で、理論を実証する「実験」も日本の得意分野となっていきました。その「実験」をけん引したのが小柴昌俊さんです。
岐阜県の地下深くに作った「カミオカンデ」と呼ばれる巨大な観測装置を使って、太陽ニュートリノと呼ばれる素粒子の観測に成功し、平成14年にノーベル物理学賞を受賞。
さらに、小柴さんの一番弟子の戸塚洋二さんのチームが「カミオカンデ」の規模を大きくした「スーパーカミオカンデ」で、「ニュートリノ」に質量があることを世界で初めて突き止め、平成10年に開かれた国際学会で発表し、これまでの定説を覆しました。
その研究チームで中心メンバーとして活躍したのが今回、ノーベル賞の受賞が決まった梶田さんでした。
脈々と受け継がれ、世界をリードする日本の素粒子物理学。
梶田さんと同じ、素粒子の研究に取り組む東京大学数物連携宇宙研究機構の機構長、村山斉さんは、成果を挙げ続ける日本の研究現場について、「欧米と比べると装置などの規模が小さく物量戦では負けるが、ゲリラ戦のように、ここがおもしろいというところに照準を合わせてよい結果が出ていて、センスのよさが現れている」と指摘します。
そのうえで、今後は、エネルギーなどの調整が可能な、人工的に作り出した「ニュートリノ」を使うことで宇宙の成り立ちや構造、将来を知る重要な手がかりを得ることが期待され、素粒子物理の研究は、「新しい未知の領域に踏み込んだといえる」と展望しています。