北抑留の21歳韓国人大学生送還、人権批判をかわす狙いか

北抑留の21歳韓国人大学生送還、人権批判をかわす狙いか

 密入国の疑いで6カ月にわたり北朝鮮に抑留されていた韓国人のチュ・ウォンムン氏(21)が5日、板門店を通じて韓国に送還された。韓国統一部(省に相当)はこの日「北朝鮮は午前、赤十字社名義のファクスを通じ、午後5時30分にチュ氏をわが国(韓国)に送還すると伝えてきた。われわれは直ちにこれを受け入れた」と発表した。チュ氏は現在米国のニューヨーク大学の学生だ。

 北朝鮮が突然チュ氏を送還した背景については、複数の専門家が「朝鮮労働党創建70周年記念日(10日)や韓米首脳会談(16日)を前に、国際社会に対して北朝鮮の人権問題への懸念を和らげるためではないか」との見方を示している。

 韓国国内や韓米間の対立を狙ってチュ氏を送還したとの見方もある。自由民主研究院のユ・ドンヨル院長は「チュ氏は韓国籍でありながら北朝鮮を賞賛し、その体制を正当化する発言を行ったことから、チュ氏に対しては国家保安法の適用も可能だ。しかし米国の永住権者でもあることから、チュ氏に対する今後の処遇をめぐって韓米間の意見が対立する恐れもある」と予想した。

 ニューヨークに住むチュ氏は今年4月「北朝鮮についてしっかりと理解したい」との理由で、中国丹東を経て自ら鴨緑江を渡り北朝鮮の新義州に入ったが、直後に現地の警備隊に身柄を拘束された。その後、チュ氏は北朝鮮がお膳立てしたCNNテレビとのインタビューで「北朝鮮には人権問題などなく、住民を迫害するような政治もまったく見られなかった」「米国と南朝鮮政府は北朝鮮に対する敵対的な態度を改めるべきだ」などと主張した。

 現在、北朝鮮にはキム・ジョンオク氏、キム・グクキ氏、チェ・チュンギル氏の3人が抑留されており、彼らはいずれも宣教目的で北朝鮮に入ったとされている。韓国政府はチュ氏が送還された5日、北朝鮮に対し「今なお抑留されている3人の韓国人も直ちに釈放せよ」と要求した。

キム・ミョンソン記者 , チョ・ベッコン記者
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