だが、韓国経済は困難に見舞われるたびに国内市場を解放し、海外では外国企業と真正面から競争を挑んで成長してきた。潜在力のある産業を育て、見込みがない産業を整理するのに、開放による競争は選択すべき事項ではなく必須事項だ。1990年代後半に日本に対し文化市場を開放した時も、韓国は日本の「文化植民地」になるという懸念が大きかった。しかし、その時に開放をしていなかったら、PSY(サイ)や少女時代のようなグローバルな韓流スターは出てこなかっただろう。韓国政府は今からでもTPP参加を決めるべきだ。
対外経済研究院は「TPP参加なら発効から10年後に韓国の実質GDPは1.7-1.8%増え、不参加なら0.12%減る」と分析した。TPPは低成長に陥った韓国経済の減速を遅らせる効果があるということだ。韓国が迷っている間にベトナム・マレーシア・ペルー・チリなど韓国よりも経済的に後れを取っている国がTPP参加国になった事実も忘れてはならない。
韓国が堂々と先進国の仲間入りをするには、かつてのように外圧を受けて国内市場を開放する受け身の姿勢から脱却しなければならない。韓国の方からTPPの内容に合わせて農畜産物市場を追加開放し、知的財産権保護規定や関税・通関規制などを先進国並みに合わせていくべきだ。韓国経済が今後の低成長という深い穴にこれ以上はまらないようにするためにも、国内市場の開放は必然的であり、海外市場の拡大も避けられない課題だ。いずれTPPに参加するならできるだけ早く、韓国が主導して先制的にやった方がいい。