韓国抜きの「スーパー経済同盟」TPPが大筋合意

■韓国のFTAを超える日本の「奥の手」

 TPP交渉合意まで韓国はFTA競争で日本を圧倒していた。韓国は米国、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)とのFTAを発効させ、中国とのFTAも発効目前だ。締結済みまたは交渉中のFTA対象国は60カ国に迫り、世界のGDPの75%を占める国とFTAを結んでいる。しかし、日本は今回のTPP合意で一度に世界のGDPの40%を占める国とFTAを結ぶことになる。現在進んでいる日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉にも弾みが付きそうだ。安徳根(アン・ドックン)ソウル大国際大学院教授は「FTAで経済領土を拡大する韓国を羨望(せんぼう)の眼差しで見ていた日本としては、TPPが韓国を一気に追い越す『神の一手』になりそうだ」と指摘した。

 さらに、今回の合意で自動車、自動車部品、素材部品、繊維産業といった主力業種で韓国製品への打撃が予想される。TPP参加国のマレーシア、メキシコなどは完成車に15-30%という高い関税を維持している。TPP合意で両国では日本の自動車メーカーと競合する韓国の自動車メーカーは価格競争力で不利になる。米国でも現代・起亜自動車が日本車との競争面で期待していた韓米FTA効果がなくなる可能性が高い。米国は日本製の完成車に対する関税を段階的に撤廃するほか、自動車部品の80%に対する関税を即時撤廃することで日本と合意した。韓国自動車産業協会のキム・テニョン理事は「主な競争市場で日本の競合メーカーに押されないためには、韓国も一日も早くTPPに参加すべきだ」と話した。

李仁烈(イ・インヨル)記者
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