韓国抜きの「スーパー経済同盟」TPPが大筋合意

韓国抜きの「スーパー経済同盟」TPPが大筋合意

 欧州連合(EU)を超える世界最大の単一自由貿易圏を標榜する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が合意に達した。米アトランタで5日(現地時間)に開かれたTPP参加12カ国による閣僚会合は6日間に及ぶ交渉を終え、合意を公式に宣言した。2009年に米国の参加で本格化したTPP交渉は7年間の難産の末、交渉が一段落した。

 TPPは世界1、3位の経済大国である米国と日本が主導し、12カ国が参加する過去最大規模の多国間自由貿易協定(FTA)だ。また、中国の政治的、経済的影響力の高まりに対抗する米日の合作という側面もある。オバマ米大統領は同日、「TPPは21世紀にに必須の域内同盟、パートナー国家との戦略的関係を強化させることになる。中国のような国に世界経済の秩序を主導させることはできない」と述べた。TPPが単純なFTAではなく、米日など西側が主導する事実上の「経済・安全保障同盟」であることを示す発言だ。

 韓国政府はTPP交渉にこれまで加わってこなかった。08年に米国が参加し、TPP交渉が本格化して以降、韓国は韓中FTA合意に集中し、タイミングを失ったと指摘されている。このため、「韓国が『環太平洋経済同盟の落伍者』になりかねない」(崔炳鎰=チェ・ビョンイル=梨花女子大教授)という懸念も聞かれる。 

 対外経済政策研究院(KIEP)は5日、韓国がTPPに参加すれば、発効から10年で計1.8%の国内総生産(GDP)増大効果があるとする一方、10年間参加しない状態が続けば逆に0.12%の減少を招くと試算した。韓国貿易協会のパク・チョンイル通商研究室長は「経済的な面以外でも、世界の最強国であり韓国の同盟国である米国が主導する経済同盟という点で、一刻も早くTPPに参加するのが望ましい」と述べた。

 韓国産業通商資源部(省に相当)はTPP交渉合意を受けて発表した報道資料で、「新たな世界的通商規範になるTPP交渉が合意に至ったことを歓迎する。韓国政府は国益を最大化する方向でTPP参加を積極的に検討していく」とした。

李仁烈(イ・インヨル)記者
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