この発想は出てこなかった・・・。これを思いつきGOサインを出したWDJは天災の集団だと再認識した。
このニュース初出は朝5時だ。寝起きの頭では正しい判断が出来ず「一斉公開で特別上映!? お祭り感あるな!」とワクワクしたのは事実だ。
しかし徐々に冴えてくる頭でニュース本分を読んでいくと、そこには狂気が住み着いていることが理解できた。理解不能な単語しか存在しないのだ。こんな意味不明な事を、よもやスターウォーズで行うなんて・・・。
まじかよ、え? アベンジャーズの意味不明な宣伝に続いて、え? とこの日は震えが止まらなかった。スターウォーズファンというわけではないけど、おっそろしい。これは本当に恐ろしい。
この「虚栄プレミア」の狂気を個人的にまとめてみた。
・特別上映回を見なければ限定パンフ購入権利が得られない仕様。
・特別上映は18日18:30、19と20日は10時、13時、16時に設定。左記のみが限定パンフ購入権利を付与される特別上映回。
・特別上映は2D字幕吹き替えのみ。
・IMAXや4D系で鑑賞した場合は限定パンフ購入権利は付与されない。
・初日難民続発の危険性。
・初日の複数回鑑賞が困難な上映形態。
・劇場側への負担。
・転売屋様の光臨。
上記が特筆すべき点かと思われる。
昨今は映画宣伝が良く炎上する。特にWDJは熱く燃えまくっている。
昨年末のベイマックス。実態はスーパーヒーロー物なのに、ハートフルなキャッチコピーでゆるふわ感動作品として宣伝されていた。
アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロンの時も「愛」という妙なキャッチコピーと、謎のイメージソングで宣伝を行い、世界から2か月遅れでの公開となった。
1年足らずのうちに2作品も炎上というか、悪い意味で話題になった宣伝手法だ。
さて、今回の問題はスターウォーズの上映形態だ。あのスターウォーズだ。配給はまたしてもWDJだ。今回は宣伝や吹き替え問題とも異なった重大な危機である。
特別上映に突っ込み始めるとキリがない。まず問いたいのがスターウォーズというビッグタイトルでなぜこのような特別上映にしたのかという点だ。
昨今の日本は洋画が不振と言われている。実際に興収データでも邦高洋低だし、洋画が「なりふりかまってられない」というのは理解できる。今年公開された洋画は芸能人吹き替えを筆頭に、妙な宣伝や上映を行った作品も多い。チャッピーの本編カットや、マッドマックス、ジュラシックワールドの吹き替え問題が最たる例だろう。
芸能人を起用するのもテレビや雑誌で露出を増やすためだ。洋画が不振の傾向にあるので、少しでも作品認知度を高めて、一人でも多く劇場に足を運んでもらいたいとの願いがある。そのせいで純粋に作品を心待ちにしていた人やシリーズのファンは苦い経験をする羽目になった。
とにかく、冷静さが欠如しているのだろう。危機感だけが先行して、そこに観客が存在していないのだ。
ヒットを約束されたジュラシックワールドですら芸能人を起用するのだから、日本洋画配給各社の危機感はかなり高いと思われる。しかし、その危機感だけにしか向き合っていない。観客と一切向き合っていない。だから炎上してしまうのだろう。
今回の問題はスターウォーズだ。ジュラシックワールドとも、ゴジラとも、アベンジャーズとも違う。次元をぶち抜いた超人気シリーズだ。
予告編を流すだけで、公開が決まるだけでヒットが約束されている。そんな超人気シリーズのエピソード7だ。
それなのに、なぜ特別上映なのか。
特別上映は18日から20日までの3日間行われる。初日の初回は特別上映として18日18:30に全国一斉公開として設定されてしまった。
コアなファンは12月18日へのカウントダウン上映がやりたかっただろうし、朝一の上映回から鑑賞し、1日中劇場に引きこもることを考えていた人もいるだろう。
スターウォーズのために4Dや4KレーザーIMAX遠征を考えていた人も多いはずだ。
それほどスターウォーズを心待ちにしてきた人々を完全に裏切ったのがこの特別上映だ。
なーに特別上映だこの野郎。
どう見てもファンどころか新規も劇場も疲弊させる結果にしかなっていない。
18:30から全国一斉上映ということは、鑑賞者が集中することになる。
特別上映回でなければ限定パンフ購入権利が付与されない。ファンなら限定パンフを欲するのと、初日初回に鑑賞したい気持ちがあるので、予約はこの時間に集中する。そして限定パンフ目当ての転売屋も集中することになる。
様々な人間が特別上映チケットを奪い合う形になるわけだ。
パンフが欲しくないが初回には見たいという人も争奪戦に参加しなければならない。これは非常にまずい。
18:30の予約がパンクするのは目に見えている。初日初回のために有休を申請した人もいるはずだ。それなのに初日初回どころか、初日に見れない可能性すらある。
この限定パンフ商法は非常に憂慮すべき項目だ。
楽しみにしていたファンへ苦難を強いる意味があるのか?
ジャパンプレミアならば話は別だ。確実に、その日にしか体感できないという特別感が存在している。出演者や監督が登壇する可能性もあるしね。
だけど、特別上映と銘打っているが実態は「普通の上映」なんだよ。得点の購入権利が付くという、ただの特典商法でしかない。
ライブビューイングがあるわけでもない。普通に上映されるだけだ。
そこに妙なプレミア感を作り出す意味が理解できない。
「虚栄プレミア」の意図はチケットが何十倍もの倍率になっているとTVやウェブで報道させて洋画不振でもスターウォーズはやっぱり人気あるよ! みんな乗り遅れんなよ! というビッグウェーブを作り出すためなのでは?
でも、おかげで楽しみにしていた初日初回鑑賞をできない人が大量に続出することになるはずだ。それって決していい事ではないですよね? というか悪いことだと思うんですけど。
作為的なビッグウェーブって楽しいんですかね?
ファンの期待を削ぎ、ライト層や新規層も敬遠させかねないこの虚栄プレミア。
今、一番盛り上がっているのは転売屋様方だろう。スターウォーズの限定パンフとなれば、中身が日本語でも海外で売れる可能性が高い。鼻から湯気が出るぐらいに興奮していることだろう。
それに劇場側への負担にもなる。特別上映は18日から20日までの3日間行われる。
特別上映は18日は18:30、19と20日は10時、13時、16時となっている。これらを見れば限定パンフ購入権利が付与される。
ややこしい。
素人考えだけど上映スケジュール調整が難解になりそうだ。19と20日は最大キャパのスクリーンを割り当てて、ここでは特別上映しかやりません! と開き直って上映することが出来る。しかし18日の18:30は調整が難しいのでは。
18日は直前まで別の作品を上映しているわけだぜ? 18:30までにスクリーンを明け渡す必要がある。上映時間は作品によってことなるから、調整が本当に難しそうだ。もう滅茶苦茶。
劇場側も今頃は12月18日のスケジュール調整で頭を抱えているだろう。どないせいというんじゃ・・・。
一体誰が得をするんだろう?
スターウォーズファンは新作が公開されるというだけで「特別」なのに、その特別感を削いでしまう「虚栄の特別感」を生み出してしまう愚かさ。
ライト層の中には「どうせ特別上映のチケットかえねーだろうから見なくていいや」という結論を出した人もいるはずだ。ファンを増やそうとしているのだろうけど、このやり方はファンもライト層も裸足で逃げ出す結果になっているのでは?
劇場側も奇妙奇天烈な上映形態によってかなりの負担が強いられる。こんなんだったら上映しないほうがましじゃい! なんて考えている劇場もありそうだ。
本当に誰が得しているんだよこれ。
カウントダウン上映は無理でも、普通に上映してくれればいいだけなのに・・・。
なぜ普通に見せてくれないの? ねえ? おかしくない?
映画はビジネスってのはわかる。だけど、これほどあからさまなのは吐き気を通り越して気絶しそうになる。購入する権利ってアニメ映画もびっくりな商法だろ。某アニメとか某アニメとかも今頃「え? まじ・・・?」って絶句してそう。
これは他人事じゃないんだわ。
最初は特に思うことはなかった。失礼な物言いだけど「またコアな奴らが暴れてんのかよ」とも思った。でも冷静に考えると他のコンテンツに飛び火する可能性があるんだわ。これが成功したら、というか絶対成功するし、そうしたら他の作品でも似たやり口を仕掛けてくるかもしれない。MCU(アベンジャーズシリーズ)でもやらかしかねない。WDJだけではなく、他の会社が真似をする可能性もある。だって成功例があるからね。
スターウォーズというビッグタイトルとの事実を差し引いても、成功したという点は大きいんだよ。だから他人事ではない。追従する輩が出ないようにしなければならない。ファンにも劇場側にも負担を強いるやり口は今回限りで終わりにしなければならない。
安保じゃないけど「絶対に止める」覚悟で様々な界隈の人間が一致団結する必要があるよこれ。
本当に頼むから普通に上映してくれ。
まさかオ○ーナのネタを本当にやる奴らが出てくるとは思いもよりませんでした・・・。