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一流のビジネスパーソンは社内の有事にも備えを怠らないものです。それは社内の決裁権限者を抑えるということです。社内人事の全権を掌握している部門。日本型システムでは、全ての人事権は人事部が掌握しています。

●評価とは権限の度合いである

人事権のなかでも権限の強い「評価」を抑えることは「昇進・昇格」の権限を与えられていること同じです。会社の最終意思決定責任者は社長ですが、社長より前に人事権を行使できるのは人事担当役員ですから人事部です。

組織体制によっては、現場に相応の権限が付与されることもありますが、最終権限は人事部にあるのが一般的です。人事権を握っているから力を誇示でき影響力を発揮することができるのです。

ビジネスにおいて、わかりやすいケースを挙げれば、管理職と平社員の決定的な違いは人事権にあります。平社員がどんなに権利を主張しても、管理職に「こいつは面倒なヤツだ」と睨まれてしまえば、左遷の対象となります。

意にそぐわない社員はどんなに仕事で成果を上げていても、上司に睨まれ報復の対象となります。ほかにも、遅刻や早退、欠勤、有休取得、残業が多いなどの行動は目立ってしまい目をつけられる対象となります。

政治では、幹事長は、金銭に関する出納、選挙における割り振りや、公認・非公認、配分するポストの全権を担っていることが少なくありません。人事権があるからこそ、政治家は陳情を聞き、影響力を誇示することも可能になるわけです。政治家にとって、人事権とは強さの象徴であり、人事権を強固にすることによって権力の保持につながっていくのです。

●決済権限者に気に入られる

会社における人事を左右するのは、管理職以上の権限であり、平社員にはその権限はありません。では、人事権がないと評価を高められないかというとそういうわけではありません。平社員であっても人心掌握の技術を使うことによって、自分の評価を高めることができます。それは人事権を所持する決裁権限者との接触頻度を高めて気に入られることです。

例えば、役員に名前を覚えてもらうこと。最初は挨拶だけだったとしても、少しずつ会話の量を増やして役員と長い会話をするようになれば、必然的にプライベートの話をするようになります。プライベートの話をするようになると、仕事の話をする以上に親密感が増します。

役員と良好な関係を築いておけば色々と相談することもできます。役員というのは周囲と壁があるので意外にも、プライベートの相談事を好むものです。役員の情報収集屋としてミッションを与えられたら安定期に移行します。「可愛げのあるヤツ」という地位を得ることがポイントです。

いわゆる「ごますり」「太鼓もち」といわれる職責は、社内で疎んじられますが、「ごますり」「太鼓もち」と称される時点で利益を享受しているものです。利益を享受していなければ誰も揶揄はしないからです。

ところが「ごますり」「太鼓もち」の地位確立の道は長く険しく努力を要します。くじけてはいけません。「ローマは一日にして成らず」=社内で大きい仕事を成し遂げるには時間がかかるものなのです。

尾藤克之
経営コンサルタント/ジャーナリスト

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