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音楽家歴約45年。矢野顕子が「自分の限界」を認めて学んだ喜び
インタビュー・テキスト:渡辺裕也 撮影:豊島望(2015/10/06)
矢野顕子がニューアルバム『Welcome to Jupiter』を完成させた。年代もジャンルも問わない顔ぶれがトラックメイカーとして名を連ねていた前作『飛ばしていくよ』(2014年)に引き続き、今作でも矢野はtofubeats、冨田恵一、Seihoら気鋭のアーティストたちを共同制作者として招聘。1970年代からYMOのメンバーと共に活動を行い、日本におけるテクノ黎明期の一端を担っていた彼女が、ここでは現代のエレクトロニックミュージックと融合しながら、新たなサウンドを生み出しているのだ。音楽家として活動を始めてから、もうすぐ45年。今も進化し続ける矢野の姿がここにはある。
今回のアルバムに収録された11曲中、カバーおよびセルフカバーは合わせて5曲。そのうち3曲は矢野がみずからトラックを手がけており、もちろんそちらも素晴らしいアレンジに仕上がっている。もし今回のようなコラボレーションという形を取らなかったとしても、きっと彼女は我々リスナーがウキウキするような作品を届けてくれたであろう。しかし、そんな彼女を今も突き動かしているのは「自分が想像もしなかったような音楽を作りたい」という強い衝動であり、だからこそ『Welcome to Jupiter』はこれほどまでに刺激的な作品になったのだとも思う。他者と共作することの喜びについて、矢野顕子に語ってもらった。
矢野顕子(やの あきこ)
青森市で過ごした幼少時よりピアノを始める。青山学院高等部在学中よりジャズクラブ等で演奏、1972年頃よりティンパン・アレイ系のセッションメンバーとして活動を始め、ニューミュージック黎明期の欠かせない顔となる。1976年、『JAPANESE GIRL』でソロデビュー。1990年、ニューヨーク州へ移住。アメリカではNonesuch recordから3枚をリリース。日本では現在までに31枚のオリジナルアルバムを発表。2007年には、エレクトロニカ系ミュージシャン、レイ・ハラカミとのコラボレーションであるyanokamiとしてのデビューも果たした。2010年、森山良子とユニット「やもり」を結成しアルバム『あなたと歌おう』をリリース。2015年3月、矢野顕子+TIN PAN(細野晴臣/林立夫/鈴木茂)による『さとがえるコンサート2014』を発表。2015年9月16日にはニューアルバム『Welcome to Jupitar』をリリース。
[Akiko Yano Official Website]
矢野顕子 New Album「Welcome to Jupiter」2015.09.16 On Sale!!
ひとりでやれることの限界がわかった。やっぱり自分の能力以上のものは作れないわけですからね。
―ニューヨークに拠点を移されてから、もう25年になるそうですね。
矢野:はい。移住したきっかけは音楽と関係ないんですけどね。ニューヨークにいると、ミュージシャンとしての自分は「何を作っているか」で評価される。今の私はそれがとても心地よいと思っています。
―過去の実績ではなく、あくまでもその時々に作った音楽そのもので評価される。それが心地よいということですね。
矢野:もちろん、それはかなり厳しい環境でもありますけどね。あと、私はニューヨークという街そのものから「何かを作ろう」という気持ちを駆り立てられているので、そこもすごくいいなと思っています。これは娘が言っていたことなんですけど、ニューヨークは「次の角を曲がったら何があるんだろう?」みたいな感じで、いつも興味を持ちながら歩けるんですよね。街自体にものすごく力があるんです。
―今回の制作は、ニューヨークにいながら、各トラックメイカーとファイル交換を通じて作業を進めていったんですか?
矢野:そうですね。今回は日本でやった作業も大きかったんですけど。どういうサウンドにしてくださるかは、すべて相手にお任せなので、自分が弾いたピアノと鼻歌だけのものをみなさんにお渡しして、「あとはよろしくお願いします」とお伝えしました。歌詞も付いてない状態だから、なかには「どうしよう……」と思われた方もいたのかもしれないんですけど。
―そもそも矢野さんが前作『飛ばしていくよ』でさまざまなトラックメイカーと共作することになったのは、スタッフの提案がきっかけだったんだとか。
矢野:ええ。それがとても楽しかったから、今回もそういう路線がいいんじゃないかなって。それで、私は日本のクラブシーンについては全然詳しくないので、今回もまたスタッフにたくさん資料を集めてもらって、それを参考にセンスのいいトラックメイカーの方たちを選ばせていただきました。たとえば、その頃は「Seihoさんはすごく人気のある方だ」みたいなことも全然知らなかったですし。
―矢野さんは、トラックを任せたアーティストのスタイルはもちろん、スタッフの意向も柔軟に受け入れながら制作されているようですね。矢野さんがアルバムを作るときは、基本的にいつもそういうスタンスなんでしょうか?
矢野:いいえ、いいえ。昔は、何から何まで自分でやっていましたよ。でも、なんかそういうやり方には飽きちゃったの(笑)。
―飽きた、というのは?
矢野:ずっと自分のサウンドをプロデュースしてきて、ひとりでやれることの限界がわかったというか。やっぱり自分の能力以上のものは作れないわけですからね。ある部分において、私よりも能力に長けている人がいるのなら、そこはその人に任せた方がはるかにいいんですよ。
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