【コラム】VWと東芝、不正問題の背景にある共通点

 「私のゴルフのクリーンディーゼルが詐欺だったなんて…怒りが込み上げてくる」

 24日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズの読者投稿欄に掲載された独フォルクスワーゲン(VW)の「排ガス規制逃れ不正事件」関連記事だ。VWは自動車検査を受ける時だけ排ガス低減装置を稼動させ、普段はこれを停止するソフトウェアをディーゼル車に搭載していたことが発覚した。

 VWの人気が出始めたのは国際原油価格が高騰していた2009年代からだ。VWはディーゼル車の方がガソリン車よりも燃費が良く、二酸化炭素排出量も少ないという「クリーンディーゼル」マーケティングを打ち出した。ハイブリッド車に比べて価格もリーズナブルだった。ディーゼル車が人気を集めたのにはこうした背景があったのだ。

 ところが、今回の不正発覚直後に匿名を条件にインタビューに応じたVW元役員は、米国の自動車雑誌「オートカー(Autocar)」に「リーズナブルな価格の『クリーンディーゼル』などというのは話にならない目標だった」と告白した。低減装置を付ければ排気ラインの抵抗が大きくなり、アクセルペダルを踏み込んでも車のスピードが出ない。ドライバーはイライラしてアクセルペダルを頻繁に強く踏み込むようになり、このためさらに燃費が落ちるというのだ。

 この役員は「抵抗が少ない高価な低減装置を取り付ければいいのだが、そうしたら会社のマージンが減る。会社はエンジニアに対し、排ガス規制に合わせながらも価格引き上げ幅を最小限に抑える方法を講じるよう求めたのだろう」と説明した。

 経営陣が非現実的な実績目標を社員に強要したことから発生した今回のVW不正事件は、今年春に日本で発覚した1520億円という東芝不適切会計(粉飾決算)問題を思い起こさせる。2008年の世界金融危機や11年の東日本大震災で悪化した実績を、東芝の中間管理職が中心になって粉飾決算により組織的に隠ぺいしたとされる問題だ。東芝の株価はこの問題が発覚した4月3日以降20%も下落した。時価総額は約5000億円も水の泡となった。

 日本の各メディアは、過度の実績主義が東芝問題の原因だと口をそろえて報じた。東芝の役員・社員は「チャレンジ」というスローガンを掲げ、各事業部門の責任者に過度に高い利益目標を設定、これを達成しろとプレッシャーを与えた。事業部長たちは目標を達成するため費用計上を先送りしたり、利益を多く計上したりするよう会計不正を行った。

 VW問題も同じだ。経営陣の過度な実績主義がブーメランになって返ってきたものだ。VWが長い目を持って技術開発し、米国の規制を満たせる車を完成させていたとしたら、東芝が体質転換に力を入れる長期目標を設定していたとしたら、こうした問題は起こらなかったかもしれない。

 「職人かたぎ」と言われるドイツと日本で同じような事件が発生したことについても、よく考えて見るべきだ。VWや東芝の問題は、経営陣が自身の任期内でだけ目に見える立派な実績を出せばいいという短期実績主義におぼれた瞬間、企業の運命はがけっぷちに立たされる可能性があることを示している。韓国企業もこれを機に、同様の問題がないかどうかをあらためて振り返るべきだろう。

キム・ミョンジ記者
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