紙書籍を処分しようと、本棚を少しずつ片付けています。そうしていると、読んじゃうんですよね~、漫画。
そんな中からひとつ、1991年刊行の作品で、“伝説的”として語られることも少なくない『さくらの唄』(著:安達哲)です。高校が主な舞台として描かれる青春もの。
当時の僕は、かなり背伸びして「この漫画はすごい」と思っていたところがあるんですが、近ごろは「ああ、涙が出そう……こういうの『さくらの唄』であったな~」というシチュエーションに遭遇します。
それは、クラスメイトにキモがられている登場人物、ノヒラの「とにかく僕はああいうのをみてると涙がでてくるんだよ」から始まるシーン。
ここでは、人が輝いていられる期間は短い、ゆえにその後とのギャップを考えると涙が出てくる、というようなことが語られていると思うんですが、僕は今年で41歳になったこともあり、目に映る人を昔の記憶と照らし合わせて、「この人のあのときは異常だったな」と考えることがあります。
今も十分魅力的なのですが、他人を二度見させてしばらく離さない、えもいわれぬオーラをまとっていられる期間は、本当に短く、それを思うと涙が出そうになります。
で、本を片付け中に探してしまったノヒラの名台詞。僕の記憶では物語の後半にあるはず、と思いページをめくったのですが、ない……。え、なんで? と後半部分を何度か見返し、もしかして……と前半を探すと、この記事冒頭の写真の『さくらの唄(上)』では139ページにありました。
ああ、この台詞、こんな前にあったんだ……というメモでした。