声優の白鳥哲さんといえば、個人的にはブレンパワードの伊佐未勇やハガレンのグラトニーでお馴染みの名役者。余談だがブレンパワードは筆者の好きなアニメのひとつで、中学時代はこれと「ガサラキ」を繰り返し視聴する暗い青春を送っていましたとさ。
そんな白鳥氏が数年前から映画監督を始めたというが、撮る作品すべてが妙にスピリチュアルな方向に走ってると聞いてちょいと調べてみた。
2006年公開の「ストーンエイジ」は元ひきこもり青年がひきこもりの人々の社会復帰を支援する団体で働き始めるのだが、そこで石の声が聞こえるという不思議な青年との出会った事で人生が大きく変化していくといったもの。
出演者には黒田勇樹や寺田農など実力派が揃っており、非常に好き嫌いは分かれるものの、まあ観れる。
なお本作はこの手の業界ではお馴染みの舩井総研創業者 舩井幸雄氏、「水からの伝言」著者江本勝氏、七田チャイルド校長、故七田眞氏などが推薦している。
微塵も隠さないスピリチュアルな雰囲気が潔く、逆に好印象。
その後、不食(ブリザリアン)を取り上げた「不食の時代 〜愛と慈悲の少食〜」を2010年に公開。
特定疾患である脊髄小脳変性症を患っていたという鍼灸師の森美智代が、断食療法の指導者である甲田光雄医師の『甲田メソッド』により青汁一杯で15年以上生活し克服したそのライフスタイルが描かれたドキュメンタリー。
「「不食」と言いながら青汁飲んでるやんけ!」というツッコミは野暮なのでやめておこう。
2008年には「魂の教育」を公開。これは元日本サイ科学会(超常現象などを研究する学会)顧問で教育学博士の故七田眞氏を追ったドキュメンタリー作品。右脳教育は魂を育てる教育とする「七田式右脳教育」なるものの真偽のほどは兎も角、生前の七田氏にここまで肉薄した映像作品というのは貴重なので、そうした意味では評価したい。
特定の業界にコミットした白鳥氏の作風は、やはり(特定の業界から)評判が高い様で、2012年には「祈り~サムシンググレートとの対話」を公開。
サムシンググレートとは本作品の主役である村上和雄(筑波大学名誉教授)の提唱した概念で「人智を超えた存在」の事で、毎年開催される世界宗教会議では多神教に配慮し、この名称を用いているという。
個人的には「人智を超えた存在」という時点で一神教的だと思うが、そこは置いておこう。
本作は「祈り」に代表される信仰などの意識の力に科学的なフォーカスを当てた作品だ。ホリスティック医学などの一部の学会では、信念や信仰といった精神的なエネルギーが癌などに代表される難病患者の肉体的、精神的な健康に良い影響を与えると考えられているが、日本における第一人者とも言える人物がその村上和雄氏。高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功するなど世界的な評価が高い村上氏だが、そうしたスピリチュアルな方向に走る事に疑問を覚えるが、村上氏の出身は日本唯一の宗教都市としてお馴染みの奈良県天理市。(実際に天理教の熱心な信者でもある)
科学と神秘は相反するものではない、という事の好例である。さもありなん。
そして最新作が2015年公開の「蘇生」だ。
本作は2011年3月11日に起きた東日本大震災と福島原発事故がきっかけとなって製作されたもので、 放射能汚染の問題にはじまる地球規模の様々な環境問題、食糧問題、健康問題などを取り上げた壮大なドキュメンタリーだが、もうひとつのテーマが汚染された地球が、地球最古の生物である微生物たちの力によって蘇生していく可能性を追うというもの。
そう、あの「EM菌」の事であり、当然の様に比嘉照夫氏も登場している。
それにしても、白鳥氏に何があったのだろうか。
よもやブレンパワードでデビューした事でオーガニック的な何かに目覚めた訳ではないのだろうが、もともと演技ではキャラクターにのめり込み感情移入し易いタイプだったそうだが、ちなみに氏は公式ホームページを読むと、どうやら2007年に突然脳腫瘍になり、その際に西洋医学の治療を一切受けずに、意識の力を使って1年で克服したのだという。
これが直接の切欠という訳ではないだろうが、現在「地球ヴィジョンクリエイター」「映像の伝道師」を名乗り、前述の難病の際に自ら学んだという「意識の力の活用方」を伝えるという「祈りの技法講座」を開催している。
また「地球蘇生プロジェクト」なるものを立ち上げているが、これは人類が地球生命の一種であるアーシアンである事を自覚し、地球環境の保全と和を以て尊しと成す地球社会を実現するための計画だという。