チャーハンに野菜炒めを乗せると、すごいごちそうになる。なる。なるんです。
そう聞いて「ごちそうかも」って気づいた人は、今すぐインターネットをやめてチャーハンに野菜炒めを乗せて食べてください。そして、なんだかピンときていない人もいるようなので、一つ一つ説明させてください。
残り物の野菜炒めの悲惨さよ
これは一日たった肉野菜炒めだ。一日たった炒め物の悲惨さといったらない。
できたてはパリパリでも、次の日にチンしたらグジュグジュのクタクタになってしまう。汁もビジャビジャである。なんか栄枯盛衰の儚さ感じてしまう。
しかしここからの逆転劇があるとしたらどうだ。
まず適当にチャーハンを作る。これは本当に適当でいい。そこに炒め物を乗せる。これだけだ。
これがチャーハンに野菜炒めを乗せたものだ!
ジャン!
うまそうだろう。そろそろピンとこなかった人も気づいてもらえたか。これ、家庭でのチャーハンに不足しがちな「具」を残り物で完全に補えるのだ。
これがズルいくらいにうまい。そもそもチャーハンだって単体でうまいのだ。そこにほどよく油がなじみ味付けされている肉と野菜が入るんだから、反則だ。
しかも残り物だからコストはゼロ。もうやらない理由がどこにもない。
これはニンニクの芽炒めの残りをチャーハンに載せたやつ。どんな炒め物でやっても間違いなくうまい。完全である。
ちなみに栄養的にも肉と野菜と米が入っているので(細かいところに目をつぶれば)完全食といっていい。
福しんでやってみた
よく考えたらこれ、残り物に限らなくてもいい。中華料理屋でやれば外出時にも食べることができる。IT的にいうとはやりのクラウドだ。
来たのが福しん。東京と埼玉に偏在する中華チェーンだ。ラーメン値段は390円。
来るたび思うのだが、マスコットの顔がすごい。ほんのりピカソ的キュピズムのにおい感じる。
いや、顔はどうでもいいんだ。炒め物とチャーハンを注文だ!
チンジャオロースーチャーハンは味がよくわからないのにうまい
注文したのは焼き豚チャーハンにチンジャオロースー。残り物じゃなくてちゃんとした料理だ。こんなことしていいのか。やるんだけど。
乗せた。あのチンジャオロースーを、チャーハンの「具」としてはずかしめた瞬間である。
ものすごくうまい。
チンジャオロースーぐらい味の濃いものを乗せると、チャーハンの味がわからなくなって「漠然とおいしい味のする物」くらいにしか感じられなくなる。なんと冒涜的な。
でもその分、うまさは爆発している。味がわからなくなっているのに「うまい」とは完全な矛盾だが、たしかにそうなのだ。
マーボードーフチャーハンで「トロミ」が完全に機能する
今度は別の日にマーボードーフチャーハンにトライしてみた。マーボードーフはミニサイズがあるのがいい(250円)。まるでチャーハンにかけるためにあるみたいだ。
おお、ちょうどいい。(チャーハンの上になにかを乗せ続けたものだけにわかるちょうどよさ)
マーボードーフのトロミ、あれなんとなく中途半端な存在だなって思っていたのだが、ここで完全にチャーハンと噛みあった。口の中でテトリスみたいな快感だ。うまい。
もういい加減わかってもらえたでしょうか。
今すぐみんなもチャーハンの上に何か乗せるんだ!
紹介したお店
福しん 成増店
TEL:03-5968-6155
著者プロフィール
斎藤充博
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