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 シリア難民とみられる男児の遺体がトルコの海岸に漂着した事件が、カナダにも衝撃を与えている。一家がカナダに向かおうとしていたと報じられたためで、野党は、カナダ政府の難民受け入れが不十分だとの批判を展開している。

 海岸でうつぶせに横たわる男児の写真はトルコから配信され、欧米の多くの新聞に掲載された。AP通信によると、男児はシリア北部出身のアイラン・クルディくん(3)で、家族と一緒にギリシャのコス島へ向かう途中に溺れたという。母親と5歳の兄も死亡したが、父親のアブドゥラさんは助かった。

 カナダ西部バンクーバー近郊に住む、アイランくんのおばのティマ・クルディさんはCBCテレビなどに「一家は何千ドルも払って、密航をしようとしていた」と話した。

 ティマさんは保証人となって家族をカナダに連れて来ようとしていた。経済的な理由から、まずは別の親族の受け入れ申請をしたが、書類の不備を理由に棄却され、アイランくん一家はまだ申請していなかったという。

 家族の死亡についてティマさんは「カナダ政府だけを責めたいのではなく、世界中を責めている」と涙ながらに語った。