インドネシア高速鉄道:日本の採用厳しく「債務保証せず」

毎日新聞 2015年09月04日 01時21分(最終更新 09月04日 01時26分)

 【ジャカルタ平野光芳】日本と中国が受注を競うインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画について、ジョコ大統領は3日、「政府予算は投入せず、債務保証も行わない」と明言した。日本の新幹線計画案はインドネシア政府に債務保証を求めており、日本の案が採用されるのは厳しい情勢になった。一方、インドネシア政府に事業費全額を融資する中国案も、資金調達に不安があるといい、双方の計画の行方は不透明となっている。

 計画では、首都ジャカルタ−バンドン間(直線距離で約120キロ)に専用線を敷設し、在来線で3時間近くかかっていたのを40分弱に短縮する。

 経済効果を期待する声の一方で、インドネシア国内では発展が遅れているジャワ島以外の地域へのインフラ投資を求める声が国民の間には根強い。ジョコ大統領は厳しい財政事情を踏まえ、こういった声に配慮する姿勢を示したとみられる。

 日本は数年前からインドネシアに新幹線方式を売り込んで先行していたが、中国が今年3月に突然参入を表明。激しい売り込み合戦が続いていた。

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