441[1]歴史では1枚の写真が大きな役割を果たすことがありますが、もしかしたらこの写真もその1枚になるのかもしれません。

最近では、これまでのリビアから地中海を越えてのイタリアへの経路に加えて、トルコからギリシャに渡り、そこからバルカン半島を越えてドイツ、オーストリアに向かう難民が激増し、途中の国々ではその対処に苦労し、たとえばハンガリアでは、ドイツ、オーストリア向けの難民は、審査なしでは汽車に載せないとして(EUの協定では難民が最初に入った国が難民審査をする決まりになっている模様)、ブタペスト中央駅では、難民キャンプができ、警察の機動隊との間で小競り合いも起こっています。
その間、割合近いトルコとギリシャの間の海でも、多くの難民が溺死する等の事件が起きています。

上記写真はその一例で、シリアからの難民の幼児がトルコ海岸に死亡して打ち上げられた写真とのことです。
al jazeera net は、この写真が世界中に難民問題にたいする議論を巻き起こしていると報じており、またal arabiya net はこの幼児はkobaneからのクルド人難民だと報じています。両親がどうなったかは不明の由。

ルクセンブルグが、EUとして難民問題を専門に扱う機関の設立を提唱したとのニューうもありますが、EUにとって、今やシリア、イラク等からの難民問題は待ったなしの問題だろうと思います。
但し、EUの中でも、難民問題に対するには厳しい取り扱いをすることが欧州への難民を減らす道だとして、多くの難民の受入れを拒否する英首相や、欧州諸国が平等に難民を受け入れるべきだとするドイツ等の国や、最初の国の審査等の受け入れ能力は既にパンクしているとするイタリア、ギリシャ等の国等、それぞれの国の思惑は大きく異なるし、またそもそも難民の受入れに反対の極右、ネオナチの勢力も伸びているし、この問題は現在国際社会が当面する最大にして、最も難しい問題だろうと思います。

写真は、余りに痛ましいので、掲載をどうするか悩みましたが、問題の重要性に鑑み、あえて掲載しておきます。異論もあると思いますが・・・・
http://www.aljazeera.net/portal
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2015/09/03/طفل-سوريا-الغريق-اسمه-إيلان-كردي-وشقيقه-مات-معه.html