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2015/08/27

低レイヤな就活記 16卒版

僕自身の今年の一大イベントといえば、今年で大学の博士前期課程(修士)を卒業するので、どうしても避けられない就活というイベントがありました。

過去形で示している辺りから察して欲しいのですが、まあ戦いは終わって、行く先も決まって、ひとまずはそれ以外のことに集中できる環境にあります。

僕の行く先なんて気になる人はいないと思うのですが、同じ過ちを繰り返して同じような事になる人を増やさないためにも、体験談を書いておきたいと思います。

ただし、個人の見解を多分に含んでいます、これを参考にしても、僕は何も保証しません。


低レイヤの就活


正直、低レイヤ業界というか、ハードウェアに近いソフトウェアをやっている分野に就職するのは結構厳しいと思いました。

少なくとも、ある程度のレベルの技術力を持って、ちゃんとしたものを作りたいとなった時に、候補になる会社ってとても少ないです。

今思うと、僕の望んでいることが、高望みしすぎだったのかも知れません。

これは就活する前から思っていたことですが、本当にどこに行くんだと考えても出てこない状況で、実際に就活が始まっても難しい状況でした。

僕が候補となる企業と考えていた所を分類すると3つにわけられます。
  • 大手電機メーカー
  • 外資系の大手 IT 企業
  • ベンチャーや比較的小規模の会社
この中で、電機メーカーが一番手っ取り早いだろうと考える人も多いと思いますが、僕は電機メーカーは全く選考を受けませんでした。

話を聞いても、やっていることに魅力が感じられない、将来性も感じられない、むしろ将来この会社にこの分野の技術は必要なくなるな、という感じしか受けませんでした。

中の人の話を聞いても、働き方ややりがいなどを聞いても、あまりいい印象は受けませんでしたし、 説明会も何故か抽選で結構落ちて説明会すら参加できないみたいなことになったので、途中から完全に関心を失いました。

また、学校推薦ありきで、メーカーを受けるならそこを第一志望にするしかないという意味不明な制度でしか、よいポジションを確保できないようなので、更に関心を失いました。推薦なしだと、推薦の人たちが配属されたあとの余り物から選ぶことになるようです。


次に考えたのが、外資系の大手 IT 企業です。

いろいろな会社がありますが、僕が候補にしたのは、仮想化やストレージを売っていたり、チップを作っていたりする会社の日本法人です。

しかし、ここも厳しい現実が待ち受けていました。

まず、エンジニアという言葉に騙されてはいけません。よく聞いてみると、応募職種にエンジニアという言葉が含まれていても、これらは多くの場合開発職、デベロッパーではないのです。

エンジニアという文字が含まれる職種の殆どが、技術の解る営業やテクニカルサポート、といえばいいでしょうか。これらもエンジニアです。製品のソースコードとの接触はほぼ皆無の職種です。

そして、実際に説明会に行ってみると、エンジニア職の募集にもかかわらず、文系出身や情報系以外の人々が沢山いるのです。そして、技術はそれほど求めていないとか言われるのです。コード書いているだけではちょっと違うなと思う人はぜひ、とか言われるのです。

つまり、いくら良い製品を作っていて、日本に会社があろうと、日本の法人で開発職は募集していないのです。欲しいのは、技術の解る営業職と、技術の分からないお客様からの文句をサポートする技術職、というイメージを感じました。

一応、1社はテクニカルサポートエンジニアという職種を受けて、選考を通過しましたが、正直聞けば聞くほど、全然考えていたことと違う感じがして、お断りしました。

もう1社、エンジニア職で応募して、グループ・ディスカッションで開発がやりたいかどうかを聞かれて、やりたいです、と答えたら落とされた (たぶん) 会社もありました。

この会社は、中の人に知り合いもいて、会社見学とか個人的に行ったりしてて、僕の研究内容ともすごい関わりがあって(というのは最近出た製品でわかったことですが)、という感じでしたが、開発職が必要とされていないのではしょうがないですね。

日本に開発拠点を持っている外資系企業は殆ど無いし、置いたところでメリットがないのです。また、引き上げる会社も多いです。厳しい。

また、日本法人では相手にならんのかとおもって、日本法人経由ではありますが海外勤務前提の開発職に関する情報を知り合いつてで入手したので、英語でレジュメを書いて送ったのですが、返信もなく相手にもされませんでした。厳しい。

 
そして、最後に、ベンチャー系の企業を考えるようになりました。

最近 SSD を自社で作り始めた某企業とかを受けたりしました。メーカーの下請けもやっている企業ですが、自社製品にも力を入れて開発していて、この製品に興味を持って、技術力はある企業だと思って受けました。

研究室でも少しだけ関わりがあって、バイトをしていたり、先輩が働いていたりもするので、見学に行って、現場レベルでは人が足りない感じという話をしていました。

実際に、FPGA もいじりつつファームウェアやドライバを作っていくような作業にはとても興味があって、しかも自社製品である程度自由にやれると思ったので、これは面白いと思っていたのですが。

しかし、現実は甘くありませんでした。バカのひとつ覚えで低レイヤーな事がやりたいだけでは、必要とされていない人材のようです。

まず、自社開発製品に興味がある時点でネガティブな印象だった?ようです。詳細は言えませんが、Java でごにょごにょするのとか興味ある?って聞かれて、特に魅力もなかったので、それは僕の能力を最大限に活かせないと思うみたいなことを言ったら落とされました。

はっきりと、ポジションはないと言われました。これが現実。厳しい。


さいごに


日本で、低レイヤ業界の新卒の就職は厳しいです。

しかも、中途と違って、ポジション指定の応募じゃないので、職種のやることが曖昧すぎて、選考を受ける側もどういう方針で行けばいいのかさっぱりわかりません。やりたいことと、現実的に出来ることのバランスとか。中途なら、状況は違うみたいです?

英語をきちんと学んで海外に出るか、OSS の活動などを元に海外から引っ張られるぐらいの技術力とアウトプット力がないとダメなのかも知れません。

または、メーカーで頑張って長期の研修に耐え、技術力で評価されなくても頑張って行く道を選ぶか... 僕は無理でした。

しかも、就活は出会い系です。 自分と合っている人なんてめったに現れないのです。

なので、低レイヤ業界からはさようならします。とはいえ、まだまだレイヤは低めですが、Web な会社に行くことにしました。

こんな奴でも、内定をくれる企業があるなんて、嬉しく思っています。というか、最初から低レイヤだけ考えて就活してたわけじゃなかったんだけどね。実は一番最初に内定をもらった企業ですが...

こちらも、興味がなかったわけではなく、楽しそうだと思っていて、実際に昨年インターンに行って楽しかったので、こっちの業界でしばらく生きていこうと思います。

実際に、過去にバイトとか、会社とか、いろいろ思い出したくないこともあるけど、Web なお仕事も結構やってきているし、 インフラ側ならやりがいがあると思っています。むしろ、すごく楽しみです。

さようなら、低レイヤ。

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