じゃあ取り調べ今週の土曜日な
と磯野野球しようぜとでも言うかのような感じであっさり決まったが実際に取り調べをすることになったのは5月だった。
「あ~○○君(←本名)あのさあ君のパソコンまだ調べきれてないから5月の土日でよろしくね」
今夜来る女ブスだから合コン延期しようぜみたいなノリで延期される。もちろんこちらに拒否権はない。
今改めて考えると神奈川県警は毎年2月から3月の間に山崎春のパン祭りセールよろしく、春のロリコン逮捕セールを行っているため僕の捜査は後回しにされていたのだろう。
警察を親に持っている知り合いに尋ねたところ、どうやら新年度に向け1月から3月にノルマを課せられているからか大量に児童ポルノ愛好者を逮捕しているそうだ。
ただ話を聞いたところ3月の終わりに家宅捜索は珍しいとのことだった。
だが、この時はそのような事情などさっぱり分からなかったため、パソコンの中にまずいものが入ってて余罪を追求されているんじゃないかと思い込んでいて会社にかかってくる電話も「○○さんを家宅捜索したんですけど」と警察からかかってくるんじゃないかと半分ノイローゼになっていた。
さて5月に入り任意の事情聴取に行く羽目になった。
場所は神奈川県の中部。住んでいるところからは2時間かかる。
話を聞くと「2日ほどかける必要があって時間は大体朝から夕方まで」とのこと。
しかも当然だが、交通費は自腹。
非常に行きたくない。
ちょうど逮捕されてパソコンを持って行かれてから部屋でパソコンを使えずに不自由していたため漫画喫茶で自分と同じような境遇の人がいるか調べていたら、同じ境遇の人(しかも神奈川県警に家宅捜査されていた)は名古屋に住んでいたらしいが、わざわざ神奈川まで1泊して事情聴取をされたらしい。
このように任意とは言え強制力がかなり強いため渋々神奈川まで行くことになった。
(念のためモザイク)
警察署に着くと受付に行く必要がある。受付にはもちろん全員警察官がいる。
ここでちんことか出したら速攻捕まるんだろうなと思って受付に声をかけようとしたがはたと困る。
何て言えばいいのだろうか。まさか児童ポルノでしょっぴかれたので署に来ましたと言えばいいのだろうかと思ったが、○○課のW部さんお願いしますと頼めばあっさり本人を呼んでくれた。
「お~○○君(←僕)じゃあ案内するよ。2階に行こうか」
日に焼けたW部刑事が来た。この人はなぜかいつもテンションが高い。
課が2階にあるのか2階まで案内された。そして課の中に入る。
取り調べをされた日は土曜日であったが、何人か出勤している警察官がいた。
「だから児童ポルノはもっと罪重くすべきなんだって!」
と非常に物騒なことを言っている警察がおり俺のことじゃないだろうなとビクビクしながら取調室に入った。
部屋は非常に殺風景で机とパイプ椅子があり取り調べをする警察と対面をする形になる。窓はあるが鍵がかかっており曇りガラスで旧式のエアコンが置いてあった。
そして後ほど分かるのだが、窓際の机に大量の紙束が置いてあり、最初は何だこれと思っていた。
「いやー今日は遠くからはるばるお疲れ。迷わなかった?」
「いやー結構歩いて疲れました。飲み物飲んでいいっすか」
「取調室は飲食禁止だって」
とそう言いながらW部刑事は取調室のドアを閉めながら話す。
どうやらカツ丼とかは出してくれないそうだ。
最近の取り調べは警察の尋問で密室化を防ぐためにドアを開けっ放しにしながらするところがあるらしいが、今回事情聴取をされたときは基本的にドアは閉めっぱなしだった。
「じゃあ取り調べをしようか」
雑談を交わしたあと急に向こうは仕事モードになる。
一体何が来るのかとかなりドキドキしていた。
「まずさ何が引っかかったかわかる?」
「えー分からないです」
「これが引っかかったんだよ」
そうW部刑事は言いながら俺に直接引っかかった画像を紙で白黒コピーしたものを渡す。
それは3枚の画像だった。
1枚目と2枚目はブルマを着てる女の子が乾布摩擦をしているもの。そして3枚目はゴマキこと後藤真希が幼稚園の頃わんぱく相撲をしていたときの写真という嘘か本当か分からないもの。いずれも下半身は着衣しており上半身は裸でビーチクが見えているものだった。
(画像を張るともう一度捕まるため、参考として絵を描いた。高校の時の美術の成績は10段階で2だった)
うちのブログは基本的に2ちゃんのまとめブログをしていたため、基本的に集める画像は2ちゃんからのものである。
だから今上げたものは何回か見たことがあり特に珍しいものではなかった。
「これのどこが引っかかっているんですか?」
正直児童ポルノというのは児童がセックスをしているシーンか下半身を丸出しにさえしていなかったらセーフだろうという認識があった。
「これは児童ポルノの3項ポルノってやつでそれに引っかかったの君は」
児童ポルノの条文はこうである。
- 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態。
- 他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等(性器、肛門又は乳首)を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの。
- 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの。(wikipedhia児童ポルノ参照)
そう。乳首も児童ポルノに引っかかるのであった。
こう書くと当たり前じゃないかと思う人もいるかもしれないが、保育園や小学校で児童が裸で水浴びをしている写真でも引っかかるのだ。
しかも3項は児童の性的な部位が露出されまたは強調とのことで水着を着ていてもアウトになる可能性が非常に高いという何ともアバウトな定義なのだ。
僕が驚いたのはほかにもある。
先ほど引っかかったという画像はほかのまとめブログでもまとめられていた画像であり、なぜ引っかかったのかというとどうやらモザイクの処理をしていなかったのが原因だそうだ。
日頃まとめブログをしていた割にアフィリエイトも入らないし(一番儲かった月で一月5千円)適当に2chのスレを拾って自動化したツールでまとめていたのだ。
その際画像もあまりよく見ず、適当にアップしていたのが裏目に出た。
実は捕まったのは3月の後半なのだが、1月にブログパトロールというサイトからやたらとメールを送られてきた。
内容はあなたのブログのどこそこが法律に違反しているので削除してくださいという内容だ。
面倒ではあったが、ブログを消されるのも嫌だったので最初は律儀に応じていたが、そのうち「あなたのブログの全画像から違反している画像を消してください」
と非常に適当な内容のものが来た。
こう見えても4年ほど運営していたので画像はおそらく2千枚以上ある。
そこから違反しているものだけを消せと言われても消せるわけがないし、どれのことかさっぱり分からない。
だからしばらく放置していたらいきなりブログが凍結されたのだ。
当時はいきなり消されたことに憤慨し、ブログの運営に「死ね!」
といった内容のものを送ったりしたのだが、そのうち日々の雑事に追われブログのことを忘れていたら3月にまさかの家宅捜索であった。
凍結されていた頃に警察がうちのブログを見ていたらしく、そこから2ヶ月ほど内偵をしてブログから住所まで割り当てて家宅捜索をしたのだ。
ここにまた不運が重なった。僕のブログはライブドアだったので国内のサービスなのだ。元々FC2だったが、ライブドアの方がアフィリエイトが儲かりやすいと聞いたのでライブドアにすることにしたのだが日本の警察は国内に対しては非常に強い。
逆に国外にサーバがあるFC2や2ちゃんねるなどもそうなのだが、令状を送っても向こうを英語でやりとりしないといけないので面倒くさくてつい捜査の手が緩む。
だが、国内なら令状さえあれば簡単に個人情報を開示できるということなのだ。(感覚としてサーバが国外なら捜査されにくいと書いているがFC2でも逮捕者は出ている)
またかつて時代を築いたwinnyなどのファイル交換サイトは常に警察が見張っているため、捕まらないと思っていてもそれは偶然見つからなかっただけで回数を重ねるごとに捕まる可能性が上がってくるわけだ。
続く