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フリースクールを義務教育に位置づけ 法案提出へ
8月11日 20時28分

超党派の国会議員で作る議員連盟は、不登校の子どもらに多様な教育の機会を確保すべきだとして、フリースクールなどでの学習を義務教育の制度内に位置づける法案を、来月上旬に取りまとめ、今の国会への提出を目指すことになりました。
フリースクールは、不登校になった子どもたちの学習指導や教育相談を行っている民間の施設ですが、法的に学校とは認められておらず、超党派の国会議員でつくる議員連盟が支援策を検討しています。
そして、11日開かれた議員連盟の総会で、不登校の子どもらに多様な教育の機会を確保すべきだとして、フリースクールなどでの学習を義務教育の制度内に位置づける法案のたたき台が示されました。
それによりますと、子どもが不登校になった場合、保護者が学習の目標や実施方法などを盛り込んだ「個別学習計画」を作成して、市町村の教育委員会に提出し、認められれば保護者としての就学義務を果たしているものと見なすとしています。
これに対し、総会の出席者から「不登校の子どもたちにとって計画に沿った学習は負担になるのではないか」という指摘も出され、議員連盟は、今後、教育関係者らからも意見を聞いたうえで、来月上旬に法案を取りまとめ、今の国会への提出を目指すことになりました。

法案の背景

新たな法案が検討されている背景には、いじめなどで学校に通えなくなる不登校の子どもたちが増え、義務教育の原則との隔たりが見過ごせなくなっている現状があります。
不登校の子どもは、昨年度、全国の小中学校でおよそ12万3000人に上り2年連続で増えました。
これまで学校への復帰を前提とした対策が行われてきましたが、不登校の子どもたちの一部は、法律では学校と認められていないフリースクールなどを、学校に代わる「居場所」として頼るようになっています。
文部科学省が、ことし初めて行った実態調査では、少なくとも全国に474のフリースクールなどの施設があり、義務教育の段階にある子どもがおよそ4200人通っていることが分かりました。
こうしたことから、超党派の国会議員で作る議員連盟の立法チームは、ことし6月からフリースクールの関係者や専門家それに不登校の子どもの保護者などからヒアリングを行うなどして法案の内容の検討を続けています。
法案を巡っては、関係者の間で「学校以外の選択肢が広がる」とか、「子どもが学校に行けないことで自己否定をしないですむようになる」と、期待する声がある一方で、「フリースクールや自宅での学習という自由な場に、学校教育的な視点が入り込まないか」などと懸念する意見もあります。

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