日本一周の旅,観光がしたいわけじゃない。
だから都市部にはあまり用はない。 ひと通り街を散策したあと,脇道に入ってぶらぶら歩きながら考え事していた。 今日はバック1つなのでバックパッカーね。
旅の中で,俺のやるべきことを見つける
自分の目で見て,体験したことをもとに,何かを考え,やるべきことを探したい。
知り合いがこんなことを言っていた。 「自分がするべきことは,与えられたもののなかにはない」 この通りだと思う。
その,やるべき何かっていうのは,すでにいくつもあるんだけど,
例えば社会問題をこの目でみたい
テレビやネットニュースでバンバン入ってくる情報も, どこか他人ごとではないだろうか。
自分の目でみてしまえばそこには当事者意識が生まれる。 真剣にかんがえ,どうにかしたいという気持ちが出てくる。 ニュースで知ったことに感情を動かされ動くのも自然なことだ。
でも,ニュースでしか見ていないことを,さも知った風に語る人がいる。 じぶんはなにも関係がないのに,同情した気になっている人がいる。 そういう人間にはなりたくない。
現代人は与えられるのを待っている。
そのようにしか見えない。 与えられるまで,待っている。 与えられたものが全てで,それを効率的に終えることを仕事と呼ぶ。 そんなの絶対におかしい。
だから旅にでた。このまま大学にいるのが辛かった。
自分が腐っていくような感覚に襲われたから。 たんたんと講義をうけ,課題を共有しておわらせ試験を受けて単位をもらう。 週末はサークルで飲み会,似たような顔ぶれで建設性もなにもない話で盛り上がる。 あるいはバイトで小銭をせこせこと稼ぐ。それ以上稼いでみようとは考えない。遊べればいい。
何のための講義だ。何のための大学だ。何のためのアルバイトだ。思考停止して右にならえしてるだけじゃないか。
全然,つまらん。面白くない。そんなものは学生とは呼べない。青春を勘違いしてないか。
ちょいと私情
そうこう熱くなっているうちに人に会う時間。頭と体をリセットするために銭湯に行く。 一週間ぶりのフロ。体を念入りに洗う。 めちゃ,気持ちええな。 風呂ってこんなに気持ちええもんなんやな。 と実感する。
ただ,お湯は熱すぎるなこれ。
湯上がり,ヤクルトを飲み甲子園をぼーっとみてると
2人,立て続けにドタキャン。もう,どん底まで落ち込む。 あしたのジョーみたいな格好で落ち込む。
さっさと宿を決めて眠ってしまいたくなる。 しかし都市圏である。キャンプ場はない。 ゲストハウスも埋まりまくっていた。 適当にバイク走らせていると1800円のビジネスホテルをみつける。
ただ, 冷房ないよ。ネット無いよ。冷蔵庫ないよ。 今日は日曜日だからお風呂も入れないよ。 部屋の鍵もないからね。注意してな。
のぞむところだ。 何にもない4畳の部屋に荷物をおく。 大事なものだけリュックに入れ, その他は部屋にぶちまけておく。 盗りたきゃ盗れ! もう一度あるきまわる。
この町に入ってみて気づいたけど,
ホームレスが多い!めちゃくちゃいる。
てか,綺麗な服を着てるのなんて俺と(先日あたらしく買ったボーダーTシャツ,白と青がまぶしいぜ) 間違って迷い込んだ感じの外国人カップルくらいだった。
駅の下にホームレスが村をつくっていた! これは,すごい。。。お祭り状態。100人はいた。 しばらく見学していく。
なにが目的かはわからないが,行列をつくっていた。
炊き出しか,宿か。 この行列に並ぶ=社会的貧困層の証 なんだろうな。と思った。
ホームレスになったら,長野県とか自然豊かなとこに住みたい。
山の中でサバイバルもしてみたい。イノシシ食べて生きていきたい。 いつか無人島にいったら,魚とかとってくらしたい。
でも彼らホームレスは,都会に住み着く。なんでだろう。考えてみる。
生活補助か?あとは食料が手に入りやすいとかかな。 なぜか熱心に新聞を読んでいたし。 けっこう文明人なのかも。
ちょっと数人話しかけてみた。
いろいろ教えてくれた。そしてどんどん集まってくる。こわい。10人に囲まれる。 情報は多かったが大体身の上ばなしだし,世間に対する文句だった。
考えることが多すぎたので切り上げてカフェで文章にまとめる。
結論からいえば,ホームレスは良くない。自分の家は持ったほうがいい。当たり前のことだ。
でもそれ以外のことも見えてくる。
こういう世界を見るということを, 教育カリキュラムに組み込むべきなんじゃないかなんて漠然と考える。
まず現代人のほとんどが,
「ホームレスになっちゃいけないよ,社会のゴミなんだよ」
って常識に刷り込まれちゃってるのはおかしいと思う。 そこに何の疑いも持たず。 自分の金がなくなって,家がなくなることを極端に恐れているように見える。
本当にそうなのか?
なぜそんな人たちが存在する? 家がなくなったらもう終わりなのか? 考えてみないから,それを恐れるだけになるのではないか。
考える機会をつくるのが,学校だろう。
小難しい受験のための勉強,暗記よりも, 生きる意味だったり,働く意味を見つけていくべきなんじゃないのかな。 少なくとも俺には,学校や世間というものは 社会の持つ問題を解決するという建前で仕事をして,いい暮らしをしましょう。 と言っているようにしか見えない。そしてその建前だけを信じる人が多すぎる。 そのギャップが結局,働きはじめてからの愚痴になるんだろう。 自分で選んだ仕事なら,文句を言うなって思う。 それとも,求人が全てだと思ってたのか?
話を戻そう。
ホームレスである彼らなりにどうしようもない理由があったりする
お金だったり障がいだったり。(車いすで移動してる人が結構数いた) 生活補助を受けられない,仕事につけない。などだ。
しかしもちろん,
ホームレスには「よくない面」が圧倒的におおい。
一見しただけでわかるくらいパチンコ帰りだったりしていた。汚かったり,目が死んでいたり。
お金の使い方や,労働にたいする意欲, あとはコミュニケーション力が欠落しているような人も居た。(入れ歯も買えないということなのだろうが) 家族でホームレスという人たちもいた。おじさんのようなおばさんが,この駐車場で寝ようよ!などと,相談しながら歩いてた。 こういうとこは,バックパッカーも同じだけどね。(宿はどこにでもあるし食べ物は格安。水道をつかって体を洗う,など) 向上意識さえあれば,自力で仕事につくだろうな。 でもそんな考えが起こらないような環境にたどり着いてしまったんだろうな。 考えてさせられることが多すぎる。こんな現状。
外国のスラム街だとか,アフリカの戦争孤児だとか言う前に,この日本にもこれだけ救うべき人たちはいる
救うべき,なのかはわからないけど,なんらかの措置は取るべきだろう。 彼らは悪いモノ。ではなく,良くない状態。であるのだから, 取り除くというより,社会の副産物としてとらえ,根本的に改善する必要がある。
国はこれまでホームレスは排除すべし。という姿勢だった
バックパッカーになってみてよく分かる。都市には寝られる場所が少ない。 寝られる場所さえ奪ってしまえば姿が消える,とでも思っていたのだろうか。
例えば公園のベンチの仕切り
地方でよく寝させていただいてたベンチだが,新しいものは少し違う。 人が3人分座れるように仕切りがあるのだ。見たことあるだろう。 僕がはじめてこの仕切りを見たのは確か小学生のころだった。 子どもごころに,おじいさんたちがこの間に挟まって腹筋とかトレーニングするんだろうなぁ。などとぼんやり思った記憶がある。 でもそうじゃなくてこれは,ホームレスが寝ないようにするための障害物だ!けっこう苦しめられるし,うまいことするよなって思う。 似たような原理でまちなかにそそりたつ無意味なオブジェ,とかもそうだ。
あとは生活保護のシステムでふるい落とされる
書類の手続きや審査で落とされる人が多いそうだから, もっと簡易化することと就職活動のバックアップ体制の強化が必要だ。 政策として変えていくしかない。
ただ,そこまでしてホームレスを助けるメリットはあるのだろうか。と考える。
ホームレスの年齢層は,50歳以上の男性が圧倒的に多い。そして皆同じような格好で同じような顔をしている。 わりと,ひと目でわかるだろう。 なかには,20代もいる。家賃を切り詰めているとかかもしれないけどね。聞いてみないとわからない。
先日のPALETTEさんのように,スラム街という生まれながらの貧困層に機会をあたえ,育てるのには, コストはかかるが,人間としての若さ,フレッシュさがある。可能性がある。
しかししなびた日本の年寄りたち。老害。という言葉がもっともよく似合う人たち。
彼らを育てることはできるだろうか。そこに可能性はあるだろうか。 就職させるにしても,なにが出来るかというと,やはりどこかの工場で単純作業を延々と, というイメージだ。(イメージ=偏見だろうから良くない。今度ちゃんと聞いてみよう) いきなりバリバリ働けるとは思えない。年金を払っていたとも思えない。
結局,俺にできることはまだ無い。
これから先,ホームレスに詳しい人がいたら色々聞きたい。 ボランティアやNPOは炊き出しをしてるけども。 自分でやるべきことを見つけ出す。
社会の役に立たない人たち。社会にいらない人たち。それがホームレス。
なぜ,生きているんだろう。どうしてもそう思ってしまう。
完全に上から見てしまう。 無意識のうちに格を,差をつくってしまっている。 差別,偏見。みんな平等の精神は,もはや崩壊している。
小学生のときにこういう体験をしていれば,もっと先生にツッコめたのになぁとか思う。
まとめ
ホームレスになりたくないと,改めて思った。 いや,感じた。ひしひしと。 単なる常識的思考じゃない。これが実感というやつだ。 彼らに同情はしない。みんなはもうみんなじゃない,平等じゃない。 やる気がないやつは堕ちていく。これが現実。 のんびり過ごしているだけじゃ,夢にも思わなかった社会の歪がようやく,見えた。
あと最後に,こんないい話も見つけた。
追記:あの有名な,あいりん地区だったそうだ。
ぼくが居た場所は「新今宮のあいりん地区」といって,日本でも有数のホームレスの聖地だったそうだ。
この人達みんなホームレス。この10倍はいた。
地元の人でも絶対に近寄らないような場所。 あとでおじさんに怒られた。そんなとこになんで泊まったんや!って。 ホームレスはモノ盗ったり,言いがかりつけてきたりしかできないけど, やはり数は力。100人に囲まれたらなにも出来ない。 さらに,どうやらホームレスの後ろには,ヤクザやらなんやらが付いているらしい。 ごくり。確かに雰囲気はやばかった。
無知は危ないけど,なんもなくてよかった。 それに,前知識がなく素のままで自分の意見も出せたのでよかった。と思った。 次からは気をつけよう。