内容紹介

19世紀後半のフランスで、一介の高校教師として英語を教えていた大詩人は、『英単語』という奇妙なテクストでいったい何を企図していたのか。マラルメ詩学の基礎をなす、文字や音のもつ神秘とその歴史性についての言語学的認識を、当時の古典語教育をめぐるジャーナリズム言説やヨーロッパ辞書学の系譜に位置づける前人未踏の探究。読み書きの根源に見出される「人文学」の問いとは何か?