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こんにちは、谷口です。
就職活動中の皆さんにとって、最後の難関となるのが「最終面接」(役員面接)です。
「一次、二次を突破できたなら最終面接も通るでしょ~」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。また「最終面接なんて最後の意思確認するだけなんでしょ~」とお思いの方もいるでしょう。
しかしその一方で、「一次、二次は通るのに、なぜか最終面接には通らない……」といった就活生の方々からのご相談も多くあります。
最終面接と、それまでの面接との違いとは何なのでしょうか?面接官である役員や社長の方々は、何を考えて面接に臨んでいるのでしょうか?
今回は、就活における「最終面接」対策について考えていきたいと思います。
■一次、二次面接で見られること
一次面接、二次面接は、ESでふるいにかけた就活生がさらに選抜される場です。
ESの段階では、まず「質問の意図をくみ取って、きちんと答えになる文章が書けているか」というようなことなどが見られるわけですが、一次面接では、文章だけではなく「きちんと会話ができるかどうか」、また「ESに書かれていることが受け売りではなく自分の考えに基づいたことなのかどうか」を判断されることが多いです。
二次面接がある企業では、入社後に先輩となる可能性が高い方、エンジニアであれば現場で開発をしている方などが面接官を務めることも多くあります。ここでは、「その企業が求めるスキル(例えば業務を教えるに当たっての最低限のコミュニケーションスキルや、プロジェクトでやっていけそうな適性があるかなど)を満たしているかどうか」を見られることが多くあります。
さらに一次、二次で共通して見られているのが、「次の面接官と会わせても問題ないか」ということです。
受け答えの内容やスキルももちろん見られるのですが、例えば「この応募者は現場のPMや部長といった役職の人達や、取締役など役員の人達に会わせても失礼がない学生だろうか?」といった目線でも見られるわけです。
一次・二次面接が通過できた場合は、それまでの面接官によって「とりあえずスキルや人格的には問題なさそう」と思ってもらえたということです。また、前段階の面接官に「次の面接官に通しても問題ないだろう」と判断されたということでもあります。実力やコミュニケーションに関しては問題ないと判断されたわけですから、そこは自信を持ってください。
ただ、一次・二次の段階では、「特に決め手があるわけではないけど悪くないから落とすのは惜しいな、とりあえず通しておこう」と思われている場合もあります。「早い段階で応募者を落とす」ということは、企業にとっても「将来戦力になってくれるかもしれない人を手放す」ということですので、「迷ったら通す」という判断を下す面接官も多くいます。
では、肝心の最終面接では何が重視されるのでしょうか?
■最終面接で見られること
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まずお伝えしておきたいのが、「最終面接は決して意思確認だけの場ではなく、がんがん落とされる場である」ということです。
事実上、意思確認をするだけ……という場合も、ないわけではありません。
ただ、自分も就職活動でものすごく苦労し、何度か転職もし、今現在就職・転職サービスを運営する企業にいる者としての実感としましては、「最終面接でも落とされる場合はある、ありまくる!」という感じです。
最終面接は、その名の通り最後の面接であり、ここで内定を出すか否かが決められる場なのです。面接官をする側も、「迷うから次の段階へ……」とはいきません。むしろ「迷ったら落とす」という段階です。
では短い面接時間の中で、最終面接の面接官は応募者の何を見ているのでしょうか。
◆熱意と入社意志
最終面接で最も重視される部分はこれかもしれません。
新卒の場合は中途採用と違い、これまでの経験や実績によって「御社のお役に立てます!」ということを示すことができませんので、「どれだけこの企業に入る気があるか」ということを伝える必要があります。
最終面接まで進んでくる学生は、スキル的にはほとんど問題ないはずですので、ここで差がつく部分があるとすれば、「熱意の強さ」です。
よく就活関連で「第一志望じゃない企業に『弊社の希望順位はどれくらいですか?』と聞かれたらどうしたらいいか」ということが話題に上がります。
当然ですが、企業にとっては「御社が第一志望です」というのが一番ありがたい回答です。
例えば、「面接で話を聞いて思ったけど、この企業はやっぱり自分には合わなさそう……前に受けた企業の方がいいな……」などと思っている場合は、「第三志望です」と言ってしまってもよいのかもしれません。しかしそう正直に言われてしまうと、企業の方に「うちは確実に人材を確保したいから、入社してくれる可能性が低い人に内定を出すのはちょっとな~……」と思われてしまっても仕方はありません。
就活生の皆さんも交通費などの費用の工面はかなり大変かと思いますが、企業も採用活動にはかなりの時間と手間と費用を投じています。それでせっかく内定を出した学生に辞退をされては、企業側も困るわけです。スキルに大差ない学生が複数人いれば、企業が高確率で入社してくれそうな人、またすぐには辞めなさそうな人に内定を出したいと思うのは当然のことかと思います。
ですので、最終面接ではその企業に入社したいという意志が重要視されます。
◆将来のキャリアについてどう考えているか
学生の段階で、自分のキャリアプランについて明確に計画を立てている……という人はかなり少数かと思います。
だからこそ、企業の理念や戦略を研究した上で、入社後のキャリア設計を自分なりに考えている応募者は魅力的に映りますし、前述の熱意もより伝わりやすくなるかと思います。
また、その企業でやりたいことが明確な応募者や、その企業で長く働くことを前提に自分の将来像を考えている応募者には、企業も安心して内定を出しやすいかと思います。前述のとおり企業の採用活動というものには膨大なコストがかかっているわけですが、さらに入社後も新人研修など、教育のコストはかさみます。企業にとっては内定を蹴られるのも困りますが、入社してすぐに辞められるのはもっと困ります。
ですので、「企業×自分」で考えた自分のキャリアプランがある人は強いわけです。
■最終面接の前にやっておくといいこと
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◆社長の経歴や会社の考え方を調べておく
最終面接では、その企業のビジョンが応募者にフィットしているかどうかということが重要になってきます。
事前にその企業の情報を調べるということは、書類選考や一次面接の前にもやっているかと思いますが、最終面接の前には、特にその企業のポリシーや方向性、社長がどういう考えを持っているか、どういう経緯でその企業を作ったのかというようなことを把握しておくとよいかと思います。
時間があれば企業のWebサイトの全ページに目を通してみる、競合企業についてを調べてみる、社長や社員によるブログを読んでみる、また大手の場合はIR資料を見て、将来的にどういった事業リスクがありそうかということも考えてみるとよいかと思います。
これは面接に通るためでもありますが、自分が「本当にその企業で働くことに向いているのか?貢献できるのか?」といったことをはかる指針にもなります。
◆志望動機の練り直し
志望動機などは最終面接でも聞かれます。
説明会、ESから一次面接、と段階を経ることで、企業や業務に対する理解や知識は深まっているはずですので、志望度も深まり、志望動機も進化していることかと思います。
例えば、二次面接などで現場で開発しているエンジニアの方のお話を聞く機会があった場合は、その内容なども盛り込んでみるとよいかと思います。
◆逆質問を考えておく
逆質問は面接の度に聞かれるかと思いますが、これはあらかじめ考えておき、メモに書いておくとよいかと思います。
また、逆質問の際は企業理念などの調べたら分かることは聞かない方がよいでしょう。何でも質問さえすればいいというわけではありません。むしろ調べたらすぐ分かるような質問をしては、「とりあえず質問すればいいと思ってるな」と思われてしまいます。
以前書いたこちらの記事は転職向けの記事ではありますが、就活でも逆質問を考える際の参考になるかと思いますのでぜひご覧ください。
■まとめ
一次面接、二次面接では、説明会から何度か会ったことのある人事担当者や、技術の話ができるエンジニアの方が面接官を務めている場合が多くあります。一方最終面接では、その企業の役員という、学生の皆さんが普段なかなか会わないような役職の人達を相手にしなければなりません。緊張してしまうのは当たり前のことですが、なるべくおどおどせず堂々とした態度を求められます。その上で熱意や入社意志を伝えましょう。
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