交際女性に会社の金を横領させた36歳男に懲役8年

検察「横領した金はタイの不動産購入などに使用」

 交際していた女性の信仰心を悪用し、会社の金59億ウォン(現在のレートで約6億2760万円、以下同じ)を横領させた旅行会社社長の男(36)に、懲役8年の判決が下った。

 男は2009年3月、交際していた女性(36)に対し「米国で宣教活動をしているが、君から金を借りるようにという神様のお告げがあった。金は後で返す」と告げた。中小企業の財務課長だった女性は敬けんなクリスチャンだった。女性はその後、昨年1月にかけ、会計帳簿を改ざんし、1374回にわたって会社の金約60億ウォン(6億3820万円)を横領、そのうち約58億9800万ウォン(約6億2740万円)を649回にわたって男の銀行口座に送金した。女性は昨年3月、横領罪で逮捕・起訴された。一・二審では「男は私が会社の金を横領したことは知らない」と主張し、犯行の背景を明らかにしないまま、昨年7月に懲役8年の判決が確定し、刑務所に収監された。

 一方、女性の勤務先の資金の行方を調べていた検察は、今年3月に男による詐欺行為を把握し、横領と国外財産逃避の容疑で歳の男を逮捕・起訴した。捜査の結果、男は宣教活動のために金を使ったのではなかったことが判明した。58億ウォンのうち約25億9000万ウォン(約円)は「ファンチギ」と呼ばれる違法な両替を通じてタイに送金され、現地の不動産の購入に使われたほか、事業のための資金や生活費として使われていた。

 ソウル中央地検刑事24部(ユ・ナムグン)裁判長は9日、男の起訴事実を全て有罪とし、懲役8年を言い渡した。

ソン・ウォンヒョン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース