長崎市長、安倍首相の面前で安保法案を批判

安倍首相、広島で触れなかった「非核三原則」に言及

 70年前の8月6日、人類初の原子爆弾が広島市に投下されたのに続き、3日後には長崎市に2発目が投下された。このとき命を落とした人々を追悼するため、9日に同市で行われた「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」で、田上富久・同市長が「(安倍晋三首相が推進してきた安全保障関連法案のため)日本国憲法の平和の理念が今、揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっている」と述べた。田上市長は3期目で、安倍首相の安全保障政策を一貫して批判してきた。この日の式典には安倍首相も参列した。日本メディアは、田上市長が安倍首相の面前で警告のメッセージを伝えたとの見方を示した。田上市長は「不安や懸念の声に耳を傾け、慎重かつ真摯(しんし)に(安全保障関連法案の)審議を行ってもらいたい」と求めた。また「東京大空襲、そして中国などアジア各国に残っている戦争の記憶も忘れてはならない」と強調した。このほか、被爆者代表の谷口稜曄(すみてる)さんも「安保関連法案は核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆そうとするものだ」と安倍首相を批判した。

 一方、式典に参列した安倍首相は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませない」という「非核三原則」を守っていくと述べた。安倍首相は3日前に広島で行われた平和記念式典では非核三原則に言及しなかったため、野党の強い批判にさらされていた。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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