伊藤計劃は「SFとしてすごいから売れた」わけではない 最終回

故・伊藤計劃氏の長篇3作『虐殺器官』『ハーモニー』、そして『屍者の帝国』(円城塔氏と共著)の劇場アニメ版の公開日がついに決定、「Project Itoh」はまさに最高潮を迎えようとしている。しかしそもそも伊藤計劃作品は、なぜここまで若い読者の支持を集めたのか? 気鋭のライターが徹底分析する。(全4回)

劇場版、3か月連続公開。
2015年10月2日(金) 『屍者の帝国』(監督・牧原亮太郎 制作・WIT STUDIO)
2015年11月13日(金)『虐殺器官』(監督・村瀬修功 制作・manglobe)
2015年12月4日(金)『ハーモニー』
(監督・なかむらたかし/マイケル・アリアス 制作・STUDIO4℃)


『虐殺器官』『ハーモニー』の内容に触れています。未読の方はご注意ください。

■アクションエンタメに絞った新人賞がないとか小説界はバカなの? 死ぬの?

 2015年10月から3ヶ月連続で『屍者の帝国』『虐殺器官』『ハーモニー』が公開される。それはそれは盛り上がることだろうと思う。
 そうして盛り上がって、伊藤計劃ブームは終わる。

 そうなってほしい、と言っているわけではない。むしろ、そうなってほしくなんかない。
 しかし映像化というものは、売上的にもメディア的な注目的にも、盛り上がりのピークをつくるものであって、それが終わったあとは、落ち着いていかざるをえない。
 これは端的な事実である。

 けれど伊藤計劃の名前を、その業績を、遺志を後世になんらかのかたちで継いでいくのに、よい方法がないわけではない。

「伊藤計劃賞」をつくることだ。

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